子どもの発達障害だけでなく、最近は大人の発達障害もよく耳にするようになりました。実際Yahooニュースでもよく取り上げられています。
発達障害の割合は年々増えており「自分も発達障害では?」と疑うケースも増えています。
今回は子どもの発達障害とは何のなのか、その原因と問題となりやすい特徴、大人ができる対応について解説していきます。
発達障害とは?
「発達障害」という言葉を耳にしたことはあっても、発達障害とはどんなものか十分理解している方は少ないのではないでしょうか。
発達障害は「発達障害者支援法」で以下のように定義されています。
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの
【発達障害者支援法における定義 第二条】
定義にあるように発達障害は「広汎性発達障害」「学習障害」「注意欠陥多動性障害」とそれ以外に大別されています。
ここで取り上げらている発達障害は「自閉的な傾向」と「学習上の障害」が主で、言語、社会的スキル、協調性などさまざまな部分に影響を及ぼす可能性があります。
なお発達障害によって日常生活や社会生活に制限を受ける人のことを「発達障害者」といい、18歳未満を「発達障害児」と呼んでいます。
コミュニケーションが苦手な人が「私、発達障害かも?」と悩まれる方もいますが、発達障害が原因であることもあれば、そうでないこともあります。
繊細さん「HSP」と呼ばれるを感受性が高く、対人関係に困難さを持っている人は、発達障害特に「自閉症スペクトラム症」と類似している点があります。
HSPについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。
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参考【HSP】繊細さんが上手にコミュニケーションをとる方法
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発達障害の原因
発達障害の原因としてよく親の育て方の問題や本人の努力不足とされることがありますが、そうではありません。もちろん子供への愛情不足が原因ということもありません。
発達障害の原因は、実はいまだ不明な点が多いとされています。その中でも生まれつきの脳機能の障害が原因であると考えられています。
例えば二卵性双生児では自閉症の診断が0〜10%とされていますが、一卵性双生児の場合は60〜92%と高いことから遺伝的な要因が示唆されています。
ただし100%ではないため遺伝以外の要因も考えられ、さまざまな要因が関与する可能性があります。
- 妊娠中の母親の薬物乱用
- 妊娠糖尿病
- 妊娠高血圧症候群
- へその緒が巻きつく
- 低出生体重児 など
そのほか感染症や栄養不足などがあり、具体的な原因は個々のケースによって異なります。
発達障害の問題
発達障害を有するお子さん社会性生活で多くの悩みを抱えています。例えば以下のような生活上の悩みが挙げられます。
○集中力の欠如
発達障害の子どもたちは集中力を維持するのが苦手です。これは学校の授業や日常生活に影響を及ぼす可能性があります。
○適応力の欠如
新しい環境や変化に対応するのが難しく、自身で予測できない状況にストレスや不安を感じます。
○感覚過敏
音、光、触感など、発達障害のお子さんの多くで特定の感覚刺激に過敏に反応することがあります。
○運動協調性の問題
リズミカルな運動や全身の協調的な動きを制御するのが難しい場合があります。
○学習困難
音読の際に文字を読み飛ばしたり、枠の中に文字を書けない、算数を覚えるのが難しい場合があります。
○衝動性
頭で考える前に行動してしまう傾向があり、我慢するのが苦手です。これは脳の前頭葉の働きが関係しています。
○情緒不安定
発達障害のお子さんでは感情を適切に表現するのが難しい場合が多くあります。すぐに怒ったり、涙する、落ち込みやすい傾向があります。
○食事/摂食問題
特定の食べ物の舌触りや味に対する過敏さから、すぐに飲み込んでしまう、好き嫌いが激しいなどの食事の問題を抱えることがあります。
これらの特徴はお子さんそれぞれで異なり、全ての子どもが同じ特徴を示すわけではありません。
発達障害のある子どもたちは、自分でもこれらの悩みに気づいている場合もありますが、自分では気づいていないこともあります。
これらの悩みを抱えながら世界していることを大人が理解し、自分らしく生きるための適切な支援を提供することが大人側に求められます。
こちらではInstagramでは発達障害や感覚統合の考え方などについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
→https://www.instagram.com/hiroki.tanaka.pt
厚生労働省では発達障害の特性の代表例を障害しているので、そちらも参考にされるよ良いでしょう。
発達障害かもと思ったら
自分の子どもが発達障害かも?と思った時に保護者の方に対処してほしいことを以下に記載します。
発達障害かも?と思ったときの対処法
- 観察
子どもの行動や反応を注意深く観察します。特に、言語発達、社会的スキル、学習能力、行動パターンなどに注目します。
- 記録
観察した行動や反応を記録します。これは医療専門家が診断を下す際の重要な情報となります。
- 専門家への相談
子どもの行動について心配がある場合は、早めに医療専門家に相談することをお勧めします。これには小児科医、心理学者、精神科医、言語療法士などが含まれます。
- サポート
発達障害のある子どもは、特別な教育的支援や治療が必要な場合があります。これには、特別教育、行動療法、言語療法、作業療法などが含まれます。
対処法としては子どもの行動をしっかり観察し、その情報をもとに専門家に相談しましょう。また発達障害者支援センターや児童発達支援センターや、県・市の障害福祉課を訪問されるのも良いでしょう。
子どもの発達障害は親御さんが発達障害について理解し、適切な支援を提供することで、子どもたちは自分の可能性を最大限に引き出すことができます。
医療専門家と連携して、最適な介入策を見つけることが重要です。それぞれの子どもが個々のニーズに最適な支援を受けられるように、サポートしてあげましょう。
参考文献
- 東 晴美ら:自閉症スペクトラム障害と診断された小児の周産期の危険因子.日本未熟児新生児学会誌 25,51-63,2013