【衝撃】百薬の長は嘘だった!?お酒は飲まない方がいい科学的根拠

今のご時世、外で飲む機会は減ったと思いますが、社会人になって飲み会に参加する機会が増えた方も多いはず。

 

最初はお酒に弱かったけど、次第に強くなったというのもよく耳にします。

 

でも「健康のためにはアルコールは飲まない方がいい。」そう言われたらどうでしょうか。

 

今回は”お酒は百薬の長ではない!”と言われる根拠と、どうすればいいのかについて解説していきます。

こんな方におすすめ

  • 常に健康を意識している方
  • アルコールが好きな方
  • 心臓や脳血管の病気を患っている方

お酒は百薬の長ではない!?

なぜ良いと言われていたのか?

医療機関でも退院後にお酒を飲んでいいか、医師に聞かれる方は多くいます。

 

特に脳卒中や心筋梗塞など血管系の病気を患った方は気にされている印象を受けます。

「病気になって初めて健康に気をつけるようになった」というのもよく耳にしていました。

 

これまで、お酒は「百薬の長」という言葉があるため、少量なら”健康にいい”と考えられていました。

これには確かに根拠となる論文があります。

 

1996年に報告された論文によると、総死亡数や虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病とアルコールの関係は、アルコールの1日の摂取量が23g未満であれば男女とも死亡リスクが低下すると報告されました(図①C)。*1

 

ただしこれはあくまで、総死亡数や虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病などに限ったことで、高血圧や脳出血、脂質異常症、肝硬変などは飲まない方がいい結果が出ています。

 

図①(出典)厚生労働省 e-ヘルスネット  飲酒とJカーブ(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-001.html)

否定する要因

1.海外の研究

 

先ほどの研究結果は、日本人を対象としたものではなく、海外の報告であることが1つ挙げられます。

 

先進国の中年男女を対象としているため、若年者や日本人に適合するかは懸念があります。

 

この点は、厚生労働省のe-ヘルスネットでも紹介されています。

 

アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解されます。

しかし日本人の40%はアルコールを分解する酵素の働きが弱いとされています。

 

この酵素の働きは遺伝によって引き継がれるため、後天的に変わることはありません。

 

つまり日本人の多くは生まれつきアルコールを分解する能力が低いため、アルコールの過剰摂取はカラダへのダメージが大きいと考えられます。

 

2.研究の妥当性

前述の研究結果は、アルコールを飲んでいない人の死亡リスクが高すぎるのでは?とも指摘されていました。

 

元々アルコールを飲んでいて止めた人が含まれていたり、アルコール量の測定も不十分だったなどから否定的な意見も挙がっています。

(アルコール消費量とアルコール関連疾患のリスクの関係)

(出典)Alcohol use and burden for 195 countries and territories,1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.Lancet 2018; 392: 1015–35

 

2018年のLANCETの報告によると、上図のような結果が報告されています。*2

 

図はグラフの横軸が1日のアルコール消費量で、縦軸が相対的リスクになります。

1ドリンクはアルコール摂取量10gに相当します。

 

このグラフから言えることは、アルコール摂取量の増加とともに健康リスクが高くなることが分かります。

つまり、健康のためなら「飲まないほうがいい」ということです。

 

確かに虚血性心疾患(心筋梗塞など)は、少量の飲酒で発症リスクが下がることがこの研究でも報告されています。

しかし、他の疾患を発症するリスクが相対的に大きくなるので、結果として「飲まない方がいい」ということになります。

 

お酒好きはどうしたらいいのか?

問題はお酒が好きな人はどうしたらいいのか?という点でしょう。

 

お酒は飲む量が間違えると、カラダへの負担が大きくなり病気の発症リスクを増加させます。

 

厚生労働省の「健康日本21(第二次)」によると、適切な1日あたりの純アルコール量は20gされています。

(出典)厚生労働省 健康日本21 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html)

 

この20gというのは、以下が目安になります。

純アルコール20g目安

  • 瓶ビール 500ml × 1本(度数5%)
  • 焼酎ロック 100ml × 1杯(度数25%)
  • ワイングラス 100ml × 2杯(度数12%)
  • 酎ハイ 350ml(度数7%)
  • 日本酒 1合 180ml

 

しかし、2018年にLANCETに掲載された別の論文をみると、アルコール20gというのも修正の余地があると言えます。

 

その報告された論文では、「死亡リスクを高めない飲酒量は、純アルコールに換算して週に100gが上限」と報告されています。*3

 

1日あたりで計算すると純アルコール量は14gとなります。

健康日本21で提示されている20gからすると、30%ほど少なくなります。

(出典)Alcohol use and burden for 195 countries and territories,1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.Lancet 2018; 392: 1015–35より引用・改変

 

また先程のグラフから、1日あたり10gを目安にした方がよいとの報告されています。

摂取量が1日10gなら、相対リスクの上昇が低いため飲むならこの程度に押させるのが理想です。

 

アルコール摂取量10gはビールなら500mlの半分、日本酒なら0.5合の量となります。

 

ここまで減酒できれば、病気の発症リスクは限りなく抑えることができるでしょう。

 

しかしこんなに量を減らせないと思う方も少なくないと思います。

そんな方は、まずは1日あたりの摂取量を半分に減らすように心がけましょう。

 

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している方は、1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の方とされています。

くれぐれも、これ以上のアルコール摂取は避けるべきです。

 

お酒との付き合い方は人それぞれですので、自分のペースにあった減酒を心がけましょう。

 

おわりに

いかがでしたか。

 

今回の結果について、1つの論文だけで絶対に避けるべきと決めつけることはできません。

ですが、少なくともごく少量の摂取までに抑える方がいいというのは、理解していただけたと思います。

 

アルコール摂取だけでなく、健康への投資ほどリターンが大きいものはありません。

 

株式などに投資をするのも大切ですが、健康への投資を怠って健康寿命が短くなるとせっかくの人生も台無しです。

 

運動が苦手な方も多いと思いますので、まずはタバコや飲酒から見直して、人生100年時代を健康なカラダで駆け抜けましょう、

 

参考文献

・C D Holman,et al: Meta-analysis of alcohol and all-cause mortality: a validation of NHMRC recommendations. Med J Aust. 1996;164:141-145.

・ MG Griswold,et al: Alcohol use and burden for 195 countries and territories,1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.Lancet 2018; 392: 1015–35

・A M Wood et al: Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies.Lancet 2018; 391: 1513–23(*3)

・瀧村 剛ら:アルコールと健康問題~アルコール健康障害対策基本法が制定されて~.日本醸造協会誌 2016 年 111 巻 5 号 p. 308-314

 

 

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  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース修了 / FBL Klein-Vogelbach 全課程修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営アドバイザー /

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