あなたの血管は大丈夫?恐ろしい動脈硬化の影響

「動脈硬化」

 

内部障害系の専門科ならこの怖さを知っていると思います。

 

動脈硬化により心疾患や脳血管疾患を発症する方に非常に多く、日本人の人口の4人に1人と言われています。

 

この動脈硬化はなぜ起こるのか、私たちにどのような影響があるのかを今回は取り上げたいと思います。

 

動脈硬化はなぜ起こる?

動脈硬化が起こる原因としてまず上げられるのが加齢によるものが挙げられます。

 

加齢による老化で血管壁が硬くなることが1つの要因として挙げられています。

 

加齢に関しては誰しも避けられない問題ですが、この加齢に様々な因子が組み合わさることで動脈硬化が進行します。

 

加齢以外にも以下のものが挙げられます。

動脈硬化のげn

  • 肥満
  • 喫煙
  • 脂質異常症
  • 高血圧

 

特に高血圧とは非常に深い関係があります。

 

医学的には、『血管に高圧がかかる』『血管内の細胞が障害が起こる』ためと言えます。

 

水を撒くホースを考えてもらうと分かりやすいかと思います。f:id:T-HiRoKi:20181206223931p:plain
ホースの先を指で少し狭くすると、ホースが硬くなるのは皆さんもお分かりになると思います。

 

このホースが硬くなるのはホース内の圧が高まるためです。

 

血圧が高くなるとホースの内の圧が高まっている状態と同じ状況にあります。

これが続くと血管が負担に耐えようと自身で血管を硬くしていくため、動脈硬化が起こると覚えてもらえるといいかと思います。

 

また、プラークと呼ばれる悪玉コレステロールが原因で起こる血管壁に脂肪のような塊を作って貼り付くことで、さらに血管内が狭くなり、ホース自体がボロボロになってしまう状態を言います。

動脈硬化が起こりやすい部位

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この動脈硬化が起こりやすい部位を理解すると、この動脈硬化の恐ろしさがわかると思います。動脈硬化が起こりやすい部位は次に挙げる場所です。

 

動脈硬化が起こりやすい部位

  • 脳動脈
  • 大動脈弓部
  • 冠状動脈
  • 腎動脈
  • 腹部大動脈
  • 末梢動脈

 

動脈硬化によって引き起こされる病気

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先にあげた動脈硬化が起こりやすい部位が動脈硬化により詰まったりすると以下のような病気なります。

脳梗塞、脳出血

片方の手足が麻痺して思うように動かせなくなったり、言葉が出にくくなったり、左側を見落としやすくなるなど、脳梗塞・脳出血の症状は多岐にわたります。特に男性が多い傾向にあります。

 

大動脈瘤、大動脈解離

大動脈瘤は動脈硬化などで血管壁がもろくなり、瘤が出来た状態を言います。

大半は症状がなく、瘤の巨大化に伴い呼吸困難や胸がつかえる感じがするなど症状が出ます。

 

また動脈瘤が破裂すると死亡に至ることがあります。

 

一方大動脈解離では動脈の内側の膜に亀裂が入ってしまい、血管の膜が引き裂かれてしまう状態をいいます。

いつ発症するかわからず、ショック状態になることもあります。

 

腎臓硬化症

腎硬化症は良性と悪性に分けられますが、いずれも腎臓の血管が細くなり、腎機能が低下している状態です。

 

重度化すると人工透析が必要になる場合もあります。

 

狭心症、心筋梗塞

心臓に血液を送る血管が狭くなる、もしくは詰まるため心臓を動かす筋肉に酸素が運ばれず、筋肉が壊死にいたる心臓がうまく機能しなくなる病態です。

 

閉塞性動脈硬化症

長距離を連続して歩行できなくなったり、足が壊疽して切断にいたるなどが起こります。

 

動脈硬化の治療

動脈硬化自体は高血圧や糖尿病などいろいろな病気と関連していることが多いため、それぞれの病気に対する治療が非常に重要となります。

 

血管は若いときから徐々に硬化が進行するため、30~40代の働き盛りの年代ではストレス食生活の乱れも加わり進行が早まる可能性があります。

 

現在は、首の横を走行している頚動脈を超音波(エコー)で検査するのが一般的で、進行具合を確認できます。

 

実際の治療

動脈硬化を直接的に治療する方法は今のところありません。

基本的には予防が重要となります。

 

食事療法

過剰なエネルギー摂取を控える、バランスの取れた食事をとる、アルコール摂取制限などにの指導を行います。

 

運動療法

有酸素運動が推奨されていることが多く、特に今すぐ簡単に始められるウォーキング(1日約20分以上)がよいでしょう。

 

ウォーキングによる有酸素運動を行うことで、動脈硬化を1/3に抑えられるといった研究報告もあるようです。

(出典)動脈硬化の進行度合いの個人差を長期間追跡調査より(https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20171107/pr20171107.html)

 

そのほか、階段昇降・ラジオ体操などを上手に組み合わせて、自分にあった無理なく続けられる運動をしましょう。

 

ウォーキングの効果についてはこちら

 

薬物療法

基本的には、食事療法や運動療法により生活習慣の改善を行っても、改善しない場合に薬物療法を行います。

 

しかし、リスクの高い方は動脈硬化が進みやすいので早めに薬物療法を行います。

 

脂質異常症や高血圧症に対する治療薬を用いて、症状の進行を抑えることが多い傾向です。

 

降圧剤や、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い人に対して使われるスタチンなどがよく利用されています。

 

まとめ

いかがでしょうか。

 

動脈硬化は知らぬ間に進行していき、ある日突然脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

 

これらの疾患は死因リスクも高いため、日ごろから生活習慣に気を付ける必要がありますね。

 

そして日々の生活に有酸素運動(ウォーキング)を取り入れるようにして、健康寿命を延ばしましょう。

 

  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース(3B)修了 / FBL Klein-Vogelbach 1,2a+b修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営EXアドバイザー /企業経営アドバイザー/作業管理士

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