【温活】寒い冬を乗り切る!カラダあったか術

日を増すごとに寒さが本格的になってきた今日この頃。寒さ対策でみなさんは何を行っていますか?

寒くなると、「血行不良」や「冷え症」に悩まされ、また「むくみ」といった症状もみられるようになってきます。

寒さによるカラダへの影響は、もちろん運動パフォーマンスにも影響を及ぼします。

今回は寒さによるカラダの不調を知り、寒い冬を乗り切るために、カラダが温まる方法をご紹介していきます。

寒さがカラダに及ぼす影響

寒さによる冷えは、冬だからと気にされない方もいますが、実は冷えは万病のもとです。

寒い時期には、高齢者の脳梗塞や心筋梗塞が増加する傾向にあり、重篤な病気を発症しやすくなります。

病気に限らず、「冷え」によって起こっていると考えられる症状には以下のようなものがあります。

倦怠感

急激な気温の変化は、体内の自律神経のバランスを崩す原因になります。

自律神経は体温調節を行う働きがあるのですが、冬になると暖かい部屋と寒い部屋との寒暖差があることで、体温調節に必要以上にエネルギーを消費してしまい、カラダに疲労が蓄積して倦怠感が起こります。

肩コリ、首コリ

寒いとカラダを丸めたりすることがありませんか?

これは輻射という熱を放散する作用が関係しています。手足を広げると放熱されるため、カラダを縮めて放熱される量を減らそうとしているのです。

放熱を減らそうと首をすくめたり、背中を丸めることで肩まわりに力が入り、筋肉が緊張し、結果として血流が悪くなります。

血流の低下によって栄養素や酸素がうまく運ばれないと、ますます筋肉の緊張が高まるといった悪循環になることで症状が出現します。

腰痛

腰痛には原因が特定できるもの、原因が特定できないものがありますが、実は原因が特定できないものが85%を占めています。
(出典):What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992

原因が特定できていない腰痛のことを非特異的腰痛といいます。この非特異的腰痛の原因には、寒冷な環境や気候が原因が影響しているとも言われています。

食欲不振

寒さや冷えはカラダのストレスとなり、胃腸の働きを弱めてしまいます。

寒さにより血液循環が悪くなることで、内臓への血流量も低下し、内臓機能の低下につながります。

また寒暖差による疲労で自律神経が乱れることにより、食欲不振にいたることもあります。

免疫力の低下

体温の低下は免疫力の低下につながるとされています。

免疫に関係するマクロファージは、体温の上昇により活発になることが報告されています。

寒くなる時期は、インフルエンザが流行する時期ですから、免疫力の低下は感染しやすくなるといったリスクがあるので注意が必要です。

*余談ですが、「体温が1度下がると30%免疫力が低下する」と言われることがあります。しかしこれを報告した論文を見つけることができませんでした。この数値に関しては疑ってかかった方が良さそうです。

寒さとパフォーマンス関係

冬の寒さは運動にも影響を与ええます。

寒いときは、カラダをすくめて全身に力がギュッと入ってしまいます。

力を入れることで筋肉は緊張するわけですが、この緊張によって末梢血管が収縮してしまい、血液循環が阻害されます。

筋肉は酸素や栄養素を血液循環によって供給されるため、寒さで筋肉が緊張していると筋疲労などを起こし、筋の機能の低下を引き起こします。

寒冷によるストレスは、筋力や筋肉の収縮スピード、最大酸素摂取量のいずれの能力も低下させる報告があり、運動パフォーマンスの低下に大きく影響しています。

カラダの熱が逃げる原因

カラダから熱が逃げる現状を放熱といいます。

放熱には皮膚表面からの「輻射」、「伝導」、「対流」、「水分蒸発」の4つの物理的な機転が関係しています。

輻射

空気に触れるカラダの表面積が広いほど、熱が逃げていきます。カラダを丸くして寒さを防ぐのはこのためです。

伝導

熱伝導による熱の移動は、水は空気より25倍多いので、濡れた衣服や水中では空気中よりも20倍熱を奪われやすくなります。
(出典):森本武利 ヒトの体温調節.繊消誌 Vo1.44No.5 (2003)

空気を含んだ羊毛などは熱伝導が低く、体積も大きいので、熱が逃げにくくなります。

対流

皮膚の表面には皮膚の温度とほとんど同じ温度に暖められた空気の層があり、これが寒い場所では冷やされた空気によって運び去られる。熱伝導性が低い空気であっても、対流により熱が逃げてしまう。

マフラーやスカーフは、この空気の層が対流によって熱が逃げないように防ぐ効果があります。

蒸発

カラダの表面から水が蒸発すれば、熱が放散され温度が下がります。

日常生活では、呼吸や皮膚などからも知らぬ間に水分が蒸発しています(不感蒸泄)。

寒さに負けないカラダあったか術

深呼吸をする

寒さによるカラダの冷えに自律神経が関係していることはお伝えしてきましたが、自律神経のうち「交感神経」が有意な時には呼吸が早くなり、体温を下げる働きがあります。

イヌは汗腺機能が発達してないので、高温の環境では口を開いて浅速呼吸(浅く早い呼吸)をすることで、体温を下げています。

深呼吸を行うことで、興奮しがちな交感神経の働きを抑え、副交感神経の活動が活性化します。

副交感神経による全身のリラックス効果が得られると、収縮していた末梢血管が拡張し、カラダの血流が改善し暖まりやすくなります。

階段を利用する

体温を上げるには、基礎代謝が大切になります。また基礎代謝に関係する筋肉そのものの活動も重要となります。

基礎代謝量を臓器別に見ると、筋肉・肝臓・脳がほぼ2割ずつを消費しており、筋肉の少ない人は基礎代謝量が低くなります。

(出典):厚生労働省 e-ヘルスネット  基礎代謝量 

日常生活で階段を利用することで、下半身の筋肉を鍛えることができます。下半身には大きな筋肉が集まっており、代謝量を上げるには最適です。

筋肉を動かして筋肉を収縮・弛緩(ゆるませる)を繰り返すことで、血流のめぐりも改善されます。

ジムなどに通わずとも、エレベーターの利用を控え、階段を活用することで温活しましょう。

湯船に浸かる

普段の入浴をシャワーだけで済ませている方も多いのではないでしょうか。

温活のためには、シャワーではなく湯船に浸かることが重要です。

40℃のお湯に10~15分浸かることで、交感神経の活動を抑えリラックス効果も得られることで、全身の血流が良くなります。
(出典):石澤 太市ら ストレス解消入浴法は体温を1.1℃上げる 日本健康開発雑誌 39(0), 6-14, 2018

入浴の際は、「半身浴」ではなく「全身浴」の方が、温熱効果も高まるため肩までしっかり浸かるようにしましょう。

ストレッチをする

デスクワークなどで同じ姿勢で長時間仕事をしていると、おしりから足にかけて伸びる血管を圧迫し、下半身の血流が低下し冷えに繋がります。

デスクワークを行う際は、定期的に姿勢を変えたり、立ってカラダを伸ばすなどストレッチを行うと良いでしょう。

ストレッチには副交感神経活動を有意に変化させることが明らかとなっています。
(出典):斉藤剛ら 特集「ストレッチングの生理学」大脳皮質・自律神経系活動および全身循環への影響.運動・物理療法 2001; 12: 2-9

ストレッチする筋肉としては、「肩甲骨周囲」「ハムストリングス」「大腰筋」を狙って行いましょう。

衣服に気を付ける

寒さを感じると首回りが緊張して肩まで影響が及びます。逆を言えば首回りを温めることで余計な緊張が抜けやすくなります。

カラダの熱が逃げる原因でも説明しましたが、熱は対流によって逃げてしまいます。首元をしっかりと覆うタートルネックネックやマフラー、スカーフを用いるのもよいでしょう。

屋外に出る際などは、服装を3層の重ね着にする「レイヤーリング」することも大切です。

登山をされている方であれば、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

肌に最も近いインナー層では、汗を素早く給水して発散させる「吸汗速乾」のものを着用しましょう。

インナーとアウターの中間にあたるミドル層では、「保温・防寒」出来るシルク、カシミア、アクリルなどの素材を着用します。

最も外側のアウター層では、「防風性」あるものを着用するようにします。

レイヤーリングは、屋内でも上手に温度調整できるように、上半身の衣類に気をつけましょう。下半身については、特に末梢の足先や足首を中心に保温するようにしましょう。

食べ物と食べるスピードに注意する

腸内環境が整うと、基礎代謝が上がりやすくなり体温が保たれ、血流も良くなります。

善玉菌が多く含まれる発酵食品(納豆・キムチ・チーズ・ヨーグルトなど)や、善玉菌の餌となる食物繊維(ほうれん草、ごぼう、人参、しめじ、納豆)を豊富に含む食べ物を摂取するようにしましょう。

また急いで食べるよりも、よく噛んでゆっくり食べた方がエネルギー消費量が大幅に増えたという報告もあります。
(出典):Hamada Y,et al: The number of chews and meal duration affect diet-induced thermogenesis and splanchnic circulation. Obesity, Volume 22, Issue 5, pages E62-E69, May 2014

食事をゆっくりと摂ることで、カラダが普段よりも温まりやすくなります。

寝ている間に低下した体温を上昇させるためにも、朝食を摂って午前中の体温を上昇させることも忘れないようにしましょう。

カラダを温めるエクササイズ

スクワット

①肩幅に足を開いて、つま先を正面に向けます

②おしりを後ろに引きながら、腰を下ろします。
※腰を下ろす際に、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。

③10回2~3セットをゆっくりと行います。

つま先立ち

 

①壁に手をついて足を閉じます。

②膝を伸ばしたまま、かかとの上げ下げを繰り返します。

③10回2~3セットをゆっくりと行います。

ハムストリングスのストレッチ

 

①両足を開いて床に座ります
(片足はあぐらのように曲げてもOKです)

②膝を伸ばしたまま、つま先を手で触るようにカラダを倒していきます。
(背中をできるだけ丸めないように注意しましょう)

③30秒間反動をつけずに、深呼吸をしながら行います。

おわりに

寒い冬を乗り切るには、自律神経の調整を行うことが1つ温活ではポイントとなります。

また寒さで筋肉が緊張しやすいこの時期だからこそ、積極的に運動して筋肉を動かし循環の改善を図ることも大切です。

まずは無理なく、できそうなことから「温活」を始めてみましょう。

 

参考文献

・Makiko Kashio et al:Redox signal-mediated sensitization of Transient Receptor Potential Melastatin 2 (TRPM2) to temperature affects macrophage functions. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America

・沖田孝一ら:寒冷地における運動と健康.北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 第4号 (1~5)

・Makinen TM: Human cold exposure, adaptation,and performance in high latitude environments. Am J Hum Biol, 19: 155-164, 2007.

・Oksa J, et al.: Changes in maximal cardiorespiratory capacity and submaximal strain while exercising in cold. J Thermal Biol, 29: 815-818 2004.

・Racinais S, et al.: Temperature and neuromuscular function. Scand J Med Sci Sports, 20: 1-18, 2010.

・原田隆司ら:汗・水分への対応.繊消誌 Vol.38 No.7(1997)

・ 鈴木正成:ジュニアのためのスポーツ栄養学 1993.3

  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース修了 / FBL Klein-Vogelbach 全課程修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営アドバイザー /

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