靴選びが健康を左右する⁉︎靴を選ぶ際の5つのポイント

靴を選ぶとき何を基準に選んでいますか?

1日のうち大半は靴を履いて生活しており、足元から私たちのカラダを支えてくれています。

今回は『靴』が私たちの生活・健康にどれだけ影響しているかを解説しながら、適切な靴の選び方についてお伝えしています。

 

この記事の内容

・靴が健康に与える影響

・靴の機能

・足の形状を知ろう

・靴選びの5つポイント

靴が健康に与える影響

靴はヒトが快適に歩行するために作られ、現在もなお改良が加えられています。

もともとは、岩石や灼熱の砂などの過酷な環境から足を保護するモノとして発明されました。

現在でも1日のうち大半は靴を履いており、靴は私たちの生活になくてはならない履物となっています。

靴については年齢を重ねるごとに、その重要性が増してきます。

加齢に伴って、足を支えるアーチ構造にゆがみが生じやすくなり、足からの影響で痛みやバランス不良による転倒を起こしやすくなるからです。

アーチ構造とは足の裏あり、親指のつけ根、小指のつけ根、かかとの3点を結んでできた「くぼみ」のことを言います。

足の健康や役割についてはこちらの記事をご覧ください。

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また加齢による筋力低下によってつま先が上がらず「すり足」になるなど、歩き方も変化してきます。このような状況でスリッパやサンダルを履いて転倒し、足首や足に障害を負ったケースも報告されています。
(参考):都市部在住高齢者における転倒発生場所の現状からみた 転倒予防教育プログラムの検討 聖路加看護大学紀要 No.35 2009. 3

筋力低下に対して足腰を鍛えなおすには、やはり歩くことが最もいい運動になります。

歩くことは筋力を維持・向上させるだけでなく、高血圧の改善、肥満の解消、動脈硬化の改善、心臓疾患のリスク軽減、リラックス効果など多彩な効果をもたらしてくれます。

快適に歩くには、靴の機能が重要になることから、いい靴選びは「健康」にも関連すると言えるのです。

靴の機能

靴に必要な機能にはどういったものがあるでしょうか。

日常生活において、歩いたり走ったりするのに必要な機能には以下のようなものがあります。

ポイント

・屈曲性

・安定性

・衝撃吸収性

・通気性

・軽量性

・耐久性

・グリップ性

・フィット性

(屈曲性)
地面を十分に蹴りだす性能があるかが重要で、硬すぎても柔らかすぎてもダメなのです。適度な曲がりがあることで、歩行の際に疲労が少ないことが明らかになっています。

(安定性)
地面に足がついてるときに過度な関節の動きを抑制する働きで、ケガを予防します。

(衝撃吸収性)
地面に足を着いた際の衝撃を軽減させることで、関節や筋への負担を軽減し、ケガを予防できます。

(通気性)
シューズ内の温度・湿度の調整ができるかどうかが重要で、靴の中が高温多湿の状況はマメが発生しやすいと言われています。

(軽量性)
シューズの重さが軽ければ、靴を履いている人の疲労を軽減させることができます。

(耐久性)
シューズの使用可能期間のことで、経済的負担を軽減することができる。

(グリップ性)
路面でのスリップを抑制することで、転倒やケガを予防する働きがあります。

(フィット)
履き心地のことで、快適な足の環境を保つだけでなく、快適であることは足の機能を最大化してくれる働きもあります。

(参考)スポーツシューズの要求機能と使用素材 SEN’I GAKKAISHI(繊維と工業)Vol.65, No.5 2009

これらの靴の機能と自身の足を適合させるには、足の形状についても知る必要があります。

足の形状を知ろう

ヒトの足は3つのタイプに分類されます。

【エジプト型】

足の指で親指が1番長いのが特徴になります。

親指から小指にかけてなだらかなカーブを描いた形状で、日本人の7~8割はこのタイプに分類されます。

このタイプは親指が靴の先で圧迫されてしまい、外反母趾になりやすい傾向にあります。

特に、女性でハイヒールを履く方などは注意する必要があります。

エジプト型の方は、「ラウンドゥ」や「オブリックトゥ」タイプの靴を選び、親指に圧迫がないかを確認することが大切です。

(ラウンドトゥ)

【ギリシャ型】

足の指で人差し指が1番長いタイプになります。

日本人の10~20%がこちらのタイプになります。

親指よりも人差し指が長く、エジプト型よりも外反母趾にはなりにくい形状をしています。

しかしつま先に余裕があるタイプの靴を選ばなければ、人差し指が「く」の字に曲がってしまうハンマートゥと呼ばれる変形を起こしやすくなります。

ギリシャ型の方は、「ポインテッドトゥ」や「アーモンドトゥ」タイプの靴を選ぶとよいでしょう。

(ポインテッドトゥ)

【スクエア型】

親指から中指・薬指までの長さがほぼ同じタイプになります。

日本人には珍しいタイプで、靴が適合していない場合は足の指の間に魚の目が出来たり、タコが出来たりしやすくなります。

スクエア型の方は「スクエアトゥ」タイプのつま先がフラットや、「ラウンドトゥ」で先が大きく丸みのあるタイプの靴を選ぶとよいでしょう。

(スクエアトゥ)

靴選びの5つのポイント

これまで、靴の機能や足の形状について解説してきました。

最後に、靴を選ぶ際のポイントをご紹介したいと思います。

① 靴を履いて軽いと感じるものを選ぶ

靴は軽い方が疲労しにくく、通気性も良い傾向にあります。

見た目ではなく機能面で選ぶためにも軽さは大切になりますから、自分で履いてみて重さを感じないものを選ぶようにしましょう。

② つま先に余裕があるものを選ぶ

靴のサイズが同じでも、メーカーによって履いたときのサイズ感は違うと感じたことはありませんか。

実はサイズはあまりあてにならないので、必ず実際に履いてみて、つま先に5~10mmほどの余裕があるものを購入するようにしましょう。

なお購入する際は、午前中よりも午後の方がフィッティングを確認するにはいい時間帯になりますので、試し履きする時間にも注意しましょう。

③ つま先が反った形状を選ぶ

つま先部分が反りかえった形状をしていることで、つまずきの防止に繋がります。

高齢者の方などは、軽量なものを選ぶのと同じくらい大切になります。

合わせて足の指のつけ根部分が曲がるものを選ぶことで、歩行の際の蹴りだしがスムーズになるので、硬く曲がらないものを選ばないようにしましょう。

④ひもやバンドで調整できるものを選ぶ

靴ひもやバンドで足の甲を包み込み固定できるものを選ぶようにしましょう。

ひもやバンドを緩めて靴を履いている方もいますが、しっかりと締めることで足首が安定性が増し、ほかの関節への負担を軽減します。

⑤ かかとにホールド感があるものを選ぶ

かかと部分が、靴のカーブと適合しているかをチェックしましょう。

また靴のかかと部分にある程度の硬さがあることで、足首が安定するので柔らかすぎるものを選ばないように注意しましょう。

おわりに

靴を購入する際は、見た目だけで選んでしまうと足が変形したり、痛みや姿勢・バランスの崩れに繋がってしまいます。

足は「第2の心臓」と言われるほど重要な機能をもっています。

足の機能を最大限利用するためには、靴選びが最も大切になります。

靴を購入する際は、自分の足の形状や自分に合った靴を選び、必ず試し履きをするようにし、足元から健康を維持していきましょう。

  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース(3B)修了 / FBL Klein-Vogelbach 1,2a+b修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営EXアドバイザー /企業経営アドバイザー/作業管理士

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