【実践】ひざの痛みの原因は何?痛みの軽減に有効な3つのファンクショナル・ポイント

膝が痛くて仕事に支障が出たり、床からの立ち座りで苦労した経験はありませんか?

膝の痛みを訴える年齢は40代から増加傾向にあります。

 

また、脳卒中後の歩行練習によって変形性膝関節症を引き起こし、痛みが出現するケースも多数報告されています。

 

今回は膝の痛みが起こる原因と対処法、そして自宅で簡単に痛みを軽減させることができる「ファンクショナル・ポイント」を3つお伝えしていきます。

 

こんな方におすすめ

  • 膝が痛くて困っている方
  • 膝の痛みの原因を知りたい方
  • 病院や整骨院に行かず、自分で痛みを軽減したい方

 

 

膝の痛みは悩みの種?

 

平成28年度の厚生労働省国民生活基礎調査によると、性別にみた有訴者利の上位5症状は以下のようになります。

 

(出典)厚生労働省平成28年国民生活基礎調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/04.pdf

 

この中でひざの痛みを含む症状は、男性で5位、女性では3位となっています。

腰痛・肩こりと並んで、ひざの関節痛などは新たな国民病となり、生活に支障を来たしています。

 

また年齢を重ねると膝の痛みを訴える方も多くなっています。

例えば要介護度別にみた介護が必要となった主な原因は以下のとおりです。

 

(出典)厚生労働省 平成28年 国民生活基礎調査の概況  https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf

 

これを見ると、日常生活において多少の支援が必要な状態である”要支援者”になりうる第1位に「関節疾患」があげられます。

 

関節疾患の中でも、高齢に伴う変形性関節症が多く、特に頻度が多いのが膝関節の関節疾患になります。

 

関節疾患によるひざ痛により”階段が登れなくなった”,”押し車がないと歩行できなくなった”,”床に腰を下ろせなくなった”など日常生活に大きな支障をきたします。

 

痛みにより活動量が減少することで、さらなる筋力低下や体力の低下により、いずれ1人で日常生活が送れなくなり、誰かの介護を必要とする状態(要介護)に陥る可能性があります。

 

ひざ痛はQOL(生活の質)を低下させることに繋がるため、ご自身でひざ痛に対処する方法を知って、できるだけ活動量を落とさないことが大切です。

 

ひざの痛みの原因はどこに?

ひざの痛みの原因には、関節自体に問題がある場合や病気による影響などが考えられます。

体重増加

体重が増えることで、ひざへの負担が増加します。特に変形を伴ってO脚やX脚といわれる状態になっていると、正常なひざの状態よりもより大きな負担がかかり、痛みを誘発することがあります。

 

筋力低下

ひざは大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)といわれる骨で関節が構成されており、筋肉による安定が重要となります。

筋力が低下することで、ひざが不安定となり、一部に過度な負担がかかり痛みが起こることがあります。

 

外傷による損傷

スポーツでの損傷や、転倒による外傷によりひざに痛みを伴う場合には、半月板損傷や靭帯損傷、さらに骨折などの可能性が考えられます。

そのまま放置すると膝の動きが将来的に制限されるだけでなく、中高年以降に変形性膝関節症に進展する可能性がります。

 

外傷により膝の痛みが出現した場合には、早期に病院や整形外科のクリニックを受診するようにしましょう。

 

関節リウマチ

免疫の異常によって関節に炎症を引き起こし、痛みや腫れを伴い、進行すると関節も変形してしまう病気です。

関節を包む滑膜といわれる部分の炎症により、腫れが出現し、発痛物質(プロスタグランジンなど)が作られることで痛みを感じます。

 

骨破壊によりひざの関節変形が起こると、人工関節に入れ替える手術を行うことがあります。

 

関節リウマチの場合は「こわばり」や指先や足先の変形が特徴的です。

 

変形性膝関節症

関節のクッションの役割を担っている関節軟骨が、加齢や筋肉量の低下などにより、すり減ってしまうことで、関節が慢性的に炎症を起こしたり、変形することで痛みが生じます。

 

変形性膝関節症には肥満や筋力低下、職業、生活環境、遺伝などいろいろな影響が絡んでいます。

 

膝痛を軽減させる方法

膝の痛みを軽減させるにはどんな方法があるのでしょうか。実際のリハビリの場面で患者さんに指導する方法としては以下のようなものがあります。

ストレッチをする

膝の痛みがあると、どうしても安静にしようとするものです。

痛みが起こってすぐの時期は安静にするのも良いですが、長く持続している痛みであれば安静はかえって逆効果になってしまいます。

 

関節に負担を掛けない(体重をかけない)で行えるストレッチから始めるのが良いでしょう。

 

太ももの筋肉(前面:大腿四頭筋、後面:ハムストリングス)やふくらはぎ(下腿三頭筋:かたいさんとうきんは膝関節と密接に関係しているため、柔軟性が特に求められます。

 

筋力をつける

下半身には大きな筋肉が多く付着しており、カラダを支える土台としての役割を担っています。

 

膝関節は股関節と足関節の間に位置しており、この2つの関節に比べて不安定になりやすい部位とされています。

 

膝関節を覆う筋肉は少なく、特に内側と外側については筋肉で十分させることが困難なため、前後の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とハムストリングスで挟み込むように安定をつくることが重要です。

 

そこで、大腿四頭筋やハムストリングスの筋肉をしっかりと鍛えることで、膝痛の予防・軽減に繋がります。

 

膝の痛みで整形外科を受診し、関節に「ヒアルロン酸」の注射を打ってもらう方も多くいらっしゃいます。

ヒアルロン酸は単独よりも、大腿四頭筋と同時に鍛えることで効果がさらに向上するといった報告もあります。

 

また太もも周りの筋肉だけでなく、おしりの筋肉や足首まわりの筋肉も痛みの軽減には有効に働きます。

全身的な筋力を鍛えることが膝痛に効果があるようです。

 

患部を冷やす・温める

痛みが強い時期や、炎症が起こっている関節に対しては、冷やす方がよく、過度な負担を掛けないように安静にさせることが大切です。

 

しかし、痛みが慢性的になると冷やすよりも、筋肉を温めて血行を良くする方が、筋肉の緊張がほぐれ痛みが軽減することがあります。

 

外傷の初期段階では冷やす、慢性的な痛みの場合は温めるといったことを意識しておきましょう。

なお、冷やしすぎたり、温めすぎるとかえって逆効果になることもあるため、いずれも20分以内を目安に行うと良いでしょう

 

 

 

他にも、海外の論文によれば、高齢者の場合、早期からリハビリテーションを受けることで鎮痛剤や手術を受ける必要性が下がったと報告されています。

(出典)Joel M. Stevans ,et al :Association of Early Outpatient Rehabilitation With Health Service Utilization in Managing Medicare Beneficiaries With Nontraumatic Knee Pain: Retrospective Cohort Study Physical Therapy, Volume 97, Issue 6, June 2017, Pages 615–624,

 

リハビリを行うことで、進行を防ぐことが出来るなら、まずは自主トレから行っていくのが良いでしょう。

 

また徒手的に関節へ施術を行う方法など、関節への負担を軽減する方法はいくつかありますが、また別の機会でご紹介しますね。

 

ひざ痛を軽減させる3つのファンクショナル・ポイント

膝の痛みをセルフケアで改善させる方法を最後にお伝えします。

 

お皿と脂肪の2ポイント・マッサージ

ひざの痛みの原因となりやすい大腿四頭筋は、膝のお皿に付着しています。

膝の痛みを患っている方の多くに、この筋肉の過剰な緊張を認めることがあります。

 

また膝の中で最も痛みを感じやすいとされる膝蓋下脂肪帯(しつがいかしぼうたい)と言われる部位もポイントになります。

この部位を緩めると痛みの軽減に有効に作用しますが、温めながら行うとさらに効果的です。

 

油を思い浮かべると想像がつくと思いますが、油は冷たくなると粘性が高まり硬くなります。

逆に温めると粘性が低下し、動きが良くなります。

 

入浴などで患部を温めた後に、動かしてあげることで潤滑効果が高まり、痛みが軽減しやすくなることがあります。

 

 

下腿筋(かたいきん)の2ポイント・マッサージ

膝の痛みと関連の深い部位に、膝の内側と内側のくるぶしの間に位置する「後脛骨筋(こうけいこつきん)」と呼ばれる筋肉があります。

この筋肉は膝痛のない人でも固くなっていることが多く、緩めるだけで痛みが軽減するケースもいらっしゃいます。

 

この筋肉とバランスよく働いてくれる筋肉に、膝の外側と外くるぶしの間に位置する「腓骨筋(ひこつきん)」があります。

下腿筋の2ポイント・リリースでは、この2つ筋肉を利用して痛みの軽減を図ります。

 

 

殿筋(でんきん)の2ポイント・マッサージ

カラダの中でも最も大切だと思っている部位がおしりです。

 

おしりは「大殿筋(だいでんきん)」「中殿筋(ちゅうでんきん)」「小殿筋(しょうでんきん)」と言われる筋肉で構成されています。

 

これらの筋肉は足の負担を軽減させたり、背骨を支えたりと多様な働きを担っています。

 

膝の痛みを伴う方は、おしりの筋肉が硬くなっていること少なくありません。

硬くなっている筋肉を緩めて、正常な力が発揮しやすいようにすることは膝の負担を軽減する効果もあります。

 

 

 

いかがでしたか?

 

ひざの痛みの原因やセルフケア方法を知ったことで、自分でも対処できるようになり、日常生活が少しは楽になると思います。

 

それでも痛みでお悩みの方は、After Rehaが運営する「アフターリハビリセンター」へ一度ご来店ください。

初回無料で60分施術を体験していただけます。

 

セルフケアについてもそこで、あなたにあった方法をお伝えしております。

 

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参考文献

・ 変形性膝関節症のリハビリテーション 2004年/第 41回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/東京 リハビリテーション医学 2005; 42: 239-262

・宮前 雄治ら:膝蓋下脂肪体炎膝の疼痛発生メカニズムに対する超音波画像からの一考察正常膝と比較して.Vol.37 Suppl. No.2  第45回日本理学療法学術大会 抄録集

・Yuanyuan Wang et al: Knee pain as a predictor of structural progression over 4 years: data from the Osteoarthritis Initiative, a prospective cohort study.Arthritis Research & Therapy volume 20, Article number: 250 (2018)

 

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  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース修了 / FBL Klein-Vogelbach 全課程修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営アドバイザー /

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