子どもの発達支援で使われるCO-OP(コアップ)アプローチとは何か?

子どもの縄跳びの練習に付き合ったことがある方はこんな経験があるのでは?

 

「腕はもっと小さく回して」
「跳ぶのはもう少し早く」

 

これらのアドバイスは、どれも間違っていません。でも何度目かの失敗のあと、子どものうまくいかずこう言います。

 

「もう、やらない」

 

教える大人も一生けんめい。やっている子も一生けんめい。それなのにかみ合わない。こんな場面、縄跳びだけでなく、スポーツの場面でもよく見かけますよね。

大人の答えは、大人のカラダで見つけた答え

子供と話す母親

大人はその動きを、すでにできるようになった人です。だから「こうすればいい」という答えを持っています。

 

ただそれは、大人のカラダで見つけた答えなんです。腕の長さも、力の入り方も、感覚の受け取り方も、子どものカラダとは違います。同じ言葉で説明されても、子どものカラダの中では同じことは起きません。

 

さらに指示が続くと、子どもの頭の中は「言われたとおりにやること」でいっぱいになって、自分がどう動いているのかを確かめる余白がなくなります。

 

そこに逆の角度から手を入れるのが、CO-OP(コアップ)アプローチです。

CO-OPアプローチとは

co-opアプローチ

CO-OPは Cognitive Orientation to daily Occupational Performance の頭文字で、カナダ・トロント大学のポラタイコ先生らが2001年に発表した作業療法のアプローチです。

 

もともとは、不器用さが目立つ子どもたち「発達性協調運動症(DCD)」と呼ばれる状態のお子さんのために作られました。

 

特徴は、一言でいえばこれです。

大人がやり方を教えるのではなく、子ども自身が「自分に合う作戦」を見つける。

 

支援者はコーチのように問いかけるだけ。答えは子どもが出します。自分で見つけた作戦は忘れにくく、他の場面にも持ち運べるからです。

 

詳しくはこちらの書籍でも解説されていますので、気になる方はご覧ください。

 

合言葉は4つ

チェックと虫眼鏡

CO-OPの中心には、4つの言葉があります。

  • Goal:何ができるようになりたい?
  • Plan:そのために、どうやってみる?
  • Do:じゃあ、やってみよう
  • Check:どうだった? うまくいった?


さきほどの縄跳びなら、ゴールを決めるのは子どもです。「5回続けて跳びたい」。次に「どこがいちばん難しい?」と聞くと、「縄が来るのが見えない」と返ってくる。そこで「じゃあ、どうしたらいいかな」と重ねると、「ゆっくり回してみる」といったその子なりの作戦が出てきます。

 

大人から見て遠回りに思える作戦でも、まず一回やってみる。そして「今のはどうだった?」と確かめる。うまくいかなければ、またプランに戻る。この行ったり来たりが、そのままCO-OPの中身です。

答えを言わない、という技術

CO-OPには誘導的発見という考え方があります。答えを言わず、子どもが自分で気づけるように問いを置く方法です。

 

「跳ぶのが早いよ」と言う代わりに、「縄が足元に来るのと、跳ぶのと、どっちが先だった?」と聞く。子どもが自分で「跳ぶのが先だった」と言えたとき、その気づきはもうその子のものになっています。

 

正直、やる側にはかなりの我慢がいります。私もつい口が出そうになります。それでも、自分で言葉にできた瞬間の子どもの顔は、教えられて成功したときとは、はっきり違うんです。

目指しているのは、縄跳びの先

なんでもできる

CO-OPが本当に狙っているのは、縄跳びが跳べることだけではありません。「難しいところを分けて、ひとつずつ試して、確かめる」という段取りを、その子のものにすることです。

 

それを覚えた子は、次に自転車やボタンかけでつまずいたときにも、同じ手順を自分で使いはじめます。ひとつの課題を通して、問題を解く力そのものを渡している。ここがCO-OPのおもしろいところなんです。

 

なお、この方法は言葉でのやり取りができること、「できるようになりたい」と自分で思えることが、ある程度前提になります。

 

なので、すべてのお子さんに当てはまる方法ではない、というのは正直にお伝えしておきます。

今日、ひとつだけ試すなら

家で使うのは、はじめの一言だけで十分です。

 

お子さんがつまずいている場面で、教えたくなるのをぐっとこらえて、こう聞いてみてください。

 

「いま、いちばん難しかったのはどこ?」

 

そして返ってきた答えに、「じゃあ、どうしたらうまくいきそう?」と重ねる。出てきた作戦が的外れに見えても、まず一回やらせてみてください。

 

うまくできた回数より、「自分で考えた作戦でできた」という一回のほうが、その子の中に長く残ります。

 

気になったら

宮崎で、事業所や園にうかがって運動あそびの支援をしている代表の田中宏樹です。

 

「答えを渡さない」というやり方は、実は大人のほうに練習がいる方法だなと毎回思わされています。私もまだうまくいかない日も多いですが、お子さんの動きで気になることがあれば、一緒に考えませんか?

 

お気軽にこちらよりご相談ください。

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  • この記事を書いた人

田中 宏樹

After Reha代表の田中宏樹です。医療保険、介護保険分野のそれぞれで経験を積みながら、経営・マネジメントの勉強・情報発信も行っています。認定理学療法士(脳血管・運動器)/ ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト / PNFアドバンスコース(3B)修了 / FBL Klein-Vogelbach 1,2a+b修了 / 成人ボバースアプローチ基礎講習会修了 / 健康経営EXアドバイザー /企業経営アドバイザー/作業管理士

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