5S活動という言葉は、臨床で働いたことがある方は1度は耳にしたことがあると思います。
5S活動は製造業でよく利用されているイメージがありますが、私たちのようなセラピストにも深く関係します。
今回はサービス業の5S活動、さらあと2Sを加えた、7S活動の重要性についてお伝えしていきます。
5S活動とは?
5S活動は、
- 整理(SEIRI)
- 整頓(SEIRON)
- 清掃(SEISOU)
- 清潔(SEIKETSU)
- 躾(SHITUKE)
の頭文字の事です。
私が今まで勤めてきた病院では、安全委員会が積極的に取り組んでいたのを覚えています。
ただ、5Sのもともと製造業から始まったものになります。
そして、この「5S」は日本が世界に誇れる取り組みのひとつで、海外の工場などでも導入されている活動になります。
5S活動の内容
整理
5Sにおける整理には、「いらないものを捨てる」という意味があります。
仕事をしていると、いつしかモノが増えていくことありませんか?
不要なものがある状態は業務効率が悪くなり、場所を取ることでもムダなコストが発生します。
必要なものだけを、働く現場に置くようにすれば、仕事上のミスも少なくなります。
整頓
整頓には、「決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておく」という意味があります。
整理のところと同様、きれいに整頓されていなければ、探す手間がかかり余計な時間を使ってしまいます。
本当にムダです。
また見た目がきれいであればいいというわけではなく、使用頻度などを参考に、必要なものを定位置に置くことで使いやすくなり、仕事の効率も上がります。
清掃
清掃には「常に掃除をする」といった意味があります。
清掃は前段階の整理整頓ができていることが条件であり、職場を常に掃除しておくことで使いやすい状態を維持します。
掃除を定期的にしっかり多なうことで、整理整頓も同時に習慣化されてきます。
清潔
清潔は単に、清潔であればいいというだけでなく、「整理」、「整頓」、「清掃」を維持して「職場の衛星を保つ」といった意味があります。
清潔にしておくことで、異常が発生したときなど問題を早期に発見できたり、未然に事故を防ぐことが出来ます。
しつけ
しつけは「決められたルール・手順を正しく守る習慣をつける」といった意味があります。
上記4Sが出来ていても、それがルール化され、組織に根付いていないと意味がありません。
1人が出来ればいいというわけではないのです。
重要なことは、いいことを習慣化させ、各個人に定着させることです。
しつけは職場スタッフの教育やルール作りの事になります。
5Sの基本的な活動内容をみてもらうと、気付くかと思いますが、これらは企業の環境面に対する働きかけと捉える事ができます。
5Sから7Sへ!
最近では、5Sに1S、2Sを足した活動も推奨されています。
今回は私たちのセラピスト業界で重要と思われる2Sを追加してみました。
- 安全(Safety)
- 笑顔(Smile)
安全(Safety)
安全とは、広辞苑によると「物事が損傷したり、危害を受けたりするおそれのないこと」といった意味があります。
今まで見てきた5Sを行っても、実際にリハビリする側(技術を提供する側)になった時に、安全なサービスを提供してくれないようでは通いませんよね。
笑顔(Smile)
この笑顔は、サービス業において特に重要だと思います。
笑顔でいることは、他の5Sと同じくらい重要で、職場環境にも大きく影響していきます。
人を相手にする仕事だからこそ、忘れてはいけません。
7Sを使って選ばれるセラピストになるは?
さて、これまで「5S」とそれに2Sプラスした「7S」についてお伝えしてきましたが、これは職場環境だけでなく、自身の生活にも当てはめることが出来ます。
7Sが出来ている人ほど、信頼され、優秀な人が多い印象を受けます。
仕事ができる人は「整理整頓」がしっかりできていませんか?
机の上がきれいだったり、ロッカーや本棚がすっきりしていてムダがない人が多いと思います。
また進んで掃除をしたり、常に机の周りがきれいだったりと「清掃」「清潔」が出来ているはずです。
こういった人たちは人望が厚いため、役職やリーダーに業務を任せれていることも多く、後輩への教育や会議での積極的な発言もみられ、「しつけ」の部分もできています。
選ばれるセラピストとは、こういった5S活動が当然にできています。
さらに、臨床においては常に「笑顔」で患者さん、利用者さんに接しており、リスク管理が出来ているといった「安全」もできていなければなりません。
この7Sが個人でしっかりと出来ている人は、クライアントさんからも選ばれ、さらに職場の上司からも選ばれる人材になれます。
実際に、私は7Sについては常に意識してきました。おかげで、リーダー業務を任されたり、患者様からも「あの先生がいい」と選ばれる存在になることが出来ました。
セラピストは技術だけではありません。
セラピストの周りの環境や行動も見られています。
是非7S活動を通して、選ばれる存在になって欲しいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
5Sや7Sは企業において重要な活動になっています。
しかし、こういった外部環境に対してだけの働きかけでなく、個人としても意識することで”人間力”が上がり、評価されるセラピストになれると感じています。
ぜひ、7Sを意識して明日からの臨床に臨んでみてください。