血行不良が引き起こすカラダの不調とは?原因と対策を考える。

冷え性で悩んでいる方の多くは「血行不良」が関係していると聞いたことはありませんか。

 

血流の流れが悪くなり、足が冷えたり、なかには足が痺れたりする方もいらっしゃいます。

 

血行不良は冷え症だけでなく、いろいろな症状を引き起こす原因となっているので、今の自分のカラダの不調はもしかしたら血行不良によるかもしれません。

 

今回は血行不良が引き起こす症状と原因、その対策を中心に解説していきます。

 

血行不良から起こる症状は?

カラダの細胞は酸素が絶対的に必要です。

 

血液の流れが悪くなると必要な酸素が細胞組織に供給されなくなり、疲労物質である乳酸が蓄積したり、脂肪の燃焼が悪くなります。

 

血行不良によって酸素不足が続くと、肩こり・腰痛などに加え、便秘や冷え性などの症状が見られるようになります。

 

代表例

・肩こり

・腰痛

・冷え性

・目の疲れ

・便秘

・足のむくみ

・食欲不振

・倦怠感  など

 

普段から良く出る症状は、もしかすると血行不良によって引き起こされているかもしれません。

 

血行不良はなぜ起こるのか?

血液の循環が悪くなる原因には複数ありますが、生活習慣が主に関係していると言われています。

 

血行不良に至る主な原因は以下の4つが挙げられます。

主な原因

  1. 乱れた食生活
  2. ストレス
  3. 運動不足
  4. 睡眠不足

 

血行不良は1つの原因によって起こっているのではなく、複数の悪い因子が加わって起こっていることがほとんどです。

 

ここでは、それぞれの問題点について見ていきましょう。

乱れた食生活

血行不良に陥る原因の1つに食生活があります。

 

忙しい現代人は、カップ麺やお惣菜、コンビニのお弁当で食事を済ませてしまうことも多いでしょう。

 

インスタント食品や揚げ物が多いお惣菜などは、高カロリーで、塩分も多く、ビタミン類が少ないことから十分な栄養が摂取できているとは言えません。

 

マウスを使った実験では、塩分の多い食事は脳の血流障害と関連すると報告されています。

 

塩分の多い食事は腸の免疫機能に影響することで、血管を広げる機能が低下することが原因と考えられています。

 

またコンビニのお弁当などは保存料、甘味料、着色料、香料などの食品添加物が多く含まれていることも、体にとってはよくありません。

 

食品添加物は安全性が保証されているものもあれば、海外では禁止とされている添加物も日本では利用していたりと差があります。

 

これらを過剰に摂取してしまうと血液の質が低下し、冷え性や体の不調に繋がります。

 

 

肉類が多くなることも大きな原因で、高脂血症(脂質異常症)によって血液がドロドロになることも血流障害の原因です。

 

動物性脂肪は中性脂肪やコレステロールにより血液の粘度を高めてしまい、さらに血管の壁に付着して血液の流れを悪くする「動脈硬化」を引き起こしやすくなります。

 

食事では肉類ではなく、魚に多く含まれるEPAやDHAを多く摂取することが大切です。

 

EPAやDHAは血液の状態を良好に保ってくれるため、血行不良による症状がある方は魚を積極的に摂取することをお勧めします。

 

魚が苦手な方はαーリノレン酸を多く含むエゴマ油やアマニ油を調理の際に利用すると良いでしょう。

 

EPA・DHAとは?

EPAやDHAはオメガ3系脂肪酸の1つで、植物由来のαリノレン酸、魚介由来のDHA、EPAの3つあります。

EPA:エイコサペンタエン酸

(効果)動脈硬化、心筋梗塞・狭心症など虚血性心疾患の予防、血糖値の改善、ダイエット効果

DHA:ドコサヘキサエン酸

(効果)脳神経を活性化、記憶力の向上

α-リノレン酸

(効果)アレルギー原因物質を抑制、血圧を下げる、血栓予防

 

おすすめの魚

・あじ

・シャケ

・まぐろ

・さば

・いわし

・かつお

ストレス

ストレスが血行不良に影響するのは自律神経の働きが影響しているからです。

 

自律神経は交感神経と副交感神経がありますが、私たちのカラダは血液循環や呼吸、消化、免疫、代謝などが自律神経によって調整されています。

 

交感神経と副交感神経のバランスが保たれていることが重要になりますが、過度なストレスを受けると交感神経の働きが優位になります。

 

ストレスにより交感神経の興奮が常に高い状態になると、血管が収縮し血流が悪くなる状態も続いてしまいます。

 

その結果として、血流障害が原因となる症状が出現してしまいます。

 

自律神経のバランスが崩れていると、脳梗塞や心筋梗塞といった病気に発展することもあるため、ストレスケアはとても大切です。

 

自律神経についてはこちらの記事もご覧ください。

参考
【要注意】取れない疲れは自律神経の問題かも!?季節の変わり目にやるべきこと。

朝晩は涼しくなってきましたね。   こんな季節の変わり目の時期は、カラダに不調が出やすい時期なんです。   そして、その原因「自律神経」であることが多いんです。   今回 ...

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ストレスとは外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態と言われています。

 

ストレスには、環境的要因、身体的要因、心理的要因、社会的要因があります。

(参考)厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス

 

ストレス要因

○環境的要因

天気、気温、騒音など

○身体的要因

病気、怪我、睡眠不足、感染

○心理的要因

不安、悩み、焦り、怒り、緊張

○社会的要因

職場での人間関係、家族関係、経済状況

 

ストレス発散方法は人によって異なりますが、生活習慣を整えるだけでもストレスを軽減させることは可能です。

 

ストレスと上手に付き合うために、まずは生活習慣の見直しを行いましょう。

運動不足

デスクワークが多い方は特に慢性的な運動不足となりがちです。

 

座っている時間が長いため、同じ姿勢をとることで血行が悪くなります。

 

特に座っているとお尻やひざ裏が圧迫されることで、足先への血流が滞り冷えにつながります。

 

またふくらはぎを動かさないことによる筋肉のポンプ作用が働かないことも影響しています。

 

運動することはカラダの筋肉がポンプの役割をして、末梢の血流を心臓に戻す重要な働きをしてくれます。

 

しかし運動量が低下することで、筋肉を使う場面がなく減り、骨や靭帯といった力を必要としない組織でカラダを支えてしまい血液循環が悪くなります。

 

運動不足になると筋力も低下してしまうため、血流がさらに戻りにくくなるといった悪循環に陥ってしまいます。

 

オフィスなどの職場であれば、エレベーターではなく階段を使うことで運動不足は改善できます。

 

下半身位は大きな筋肉が多く、階段を利用することで筋力低下も予防できます。

 

特に「第二の心臓」と言われるふくらはぎを強化することができるので、足全体から血流の改善が期待できます。

 

歩くことでも全身の血液循環の改善が期待できますので、出勤時のウォーキングを行うことも良いでしょう。

 

なお、運動とセットで水分補給をすることを忘れないようにしましょう。

 

水分は老廃物の排出にも関わり、血液の粘土にも影響するので、水分補給(お水)の補給をお忘れなく。

 

睡眠不足

睡眠不足は、イライラや集中力の低下などの自律神経の乱れと関係します。

 

自律神経が乱れることで、内臓機能が低下し、消化不良による胃部不快や食欲低下、倦怠感など症状に直結します。

 

また睡眠不足は狭心症や心筋梗塞といった循環器疾患のリスクも増加させてしまいます。

 

交感神経の興奮による影響が大きいため、自律神経を整えるためにも睡眠はとても重要となります。

 

良い睡眠をとることでは以下のメリットがあります。

良い睡眠

  • 自律神経が整う
  • 体内時計が整う
  • ホルモン分泌の正常化

 

自律神経が整うことでホルモン分泌が正常化され、血管の状態を健康に保ってくれます。

 

またレム睡眠やノンレム睡眠という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、毛細血管と「レム睡眠」には関係があるとの報告もあります。

 

「レム睡眠」は”脳以外は眠っているのに、脳は覚めている時と同様に働き、眼球が盛んに動くことが特徴の睡眠”と言われています。

 

このレム睡眠時に、脳(大脳皮質)への赤血球の流入量が大幅に増加している報告があり、今後の進展が期待されています。

 

 

おわりに

血行不良の原因は多岐にわたりますが、まずは生活習慣を見直すことで改善することもあります。

 

セルフケアをする時間がないという方は、まずは日頃の生活を見直すところから始めましょう。

 

 

参考文献

・Giuseppe Faraco,et al:Dietary salt promotes neurovascular and cognitive dysfunction through a gut-initiated TH17 response.Nature Neuroscience 5 January 2018.

・山王丸靖子 他:若年女性の冷えと食および生活習慣との関連.日本食生活学会誌 第26巻 197-204(2016)

・葛西 隆敏:睡眠関連障害と全身性疾患をめぐって 5)循環器疾患と睡眠. 第 113 回日本内科学会講演会 結実する内科学の挑戦~今,そしてこれから~

・脳以外は眠っているのに、脳は覚めている時と同様に働き、眼球が盛んに動くことが特徴の睡眠.筑波大学,京都大学 

・根来秀行:ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち! (集英社)

 

 

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