あなたの肩こりは何が原因?5つのタイプから原因をみつけよう!

学生時代は肩こりとは無縁だったのに、社会人になった途端に肩こりで悩まれている方は少なくありません。施術対応させていただく際に、学生で肩こりで悩んでいる人は稀で、肩がガチガチになっているのは大抵大人の方です。

 

そして同じ仕事をしていても、肩が凝っていない人もいれば、すごく悩まれている方もいます。なぜそんなにも違いが出るのでしょうか。

 

今回はガチガチの肩こりでお悩みの方に、肩こりの原因をタイプ別に分けてお伝えします。

こんな方におすすめ

  • 長く肩こりで悩んでいる
  • ケアしているつもりだけど良くならない
  • 肩こりの原因をはっきりさせたい

 

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肩コリは揉んでも治らない

肩こりと聞くと「肩を揉んで治す」イメージがあるかもしれません。

 

でも実際揉んで軽くなることはあっても一時的で、すぐに戻ってしまいます。これには肩回り全体の筋肉や姿勢が影響しているからです。

 

美容室ではシャンプー後に肩を揉んでくれることがありますが、その際「肩凝ってますね」という発言はよく耳にします。

 

『肩が凝る』と言うときの「肩」は首からうでのつけ根あたりのことを指しており、この辺りをマッサージしてもらうと血流が良くなって筋肉が柔くなるので、コリがほぐれ肩こりが良くなったと感じます。

 

ですが姿勢や全身の筋肉のバランスは変わっていませんから、またすぐに戻ってしまうと言うわけです。

 

肩こりに関係する筋肉

肩を揉んで軽く感じるのは「僧帽筋」と呼ばれる筋肉一部の硬さがゆるむからです。

 

一部分の筋肉がほぐれても、その周囲にある筋肉が硬いまま、あるいは働きが弱いままだと、全体のバランスが崩れているので、その影響が再び凝っている筋肉に影響します。

 

例えば先ほど挙げた僧帽筋は「上部・中部・下部」と3つに分けることができ、硬くなるのは上部、逆に普段使われにくいのが下部なので、同じ1つの筋肉の中でもアンバランスな状況が起こっています。

 

このような状況では一部が改善しても、他の部位の働きが弱いのですぐにまた症状が再発します。

 

他にも肩甲挙筋棘上筋菱形筋、といった筋肉たちが肩こりに関係しています。

 

肩こりは単独で1つの筋肉が影響していることは少なく、複数の筋肉が姿勢の影響によって凝り固まっていることが多いので、広い視点で筋肉を見ていく必要があります。

 

さらに筋肉同士は筋膜と呼ばれる筋肉を包む膜を通してつながりを持っており、他の場所に影響を与えます。例えば、肩周りに症状があるのに原因は手の中の筋肉がだったなどはよくあります。

 

原因は症状の出ている近くではなく、遠くにあると言われるのはこうした筋膜の繋がりがあるからなのです。

 

肩こりの原因には種類がある

上記では筋肉に由来した肩こりについてをお伝えしましたが、肩こりと一言にいっても、いろいろなタイプに分けることができます。

 

単純に筋肉だけの問題もあれば、それ以外の影響で肩が凝ってくることもあります。ここでは肩こりの原因を5つご紹介します。

 

筋疲労タイプ

筋肉疲労による肩こりには以下の原因があります。

  • 長時間同じ姿勢を取っている
  • ストレートネック(スマホ首)
  • 姿勢が悪い

筋疲労タイプはデスクワークの人に多い特徴があります。1日中座った姿勢で作業していると、背中は丸くなり、頭は前に突き出た姿勢になってしまいます。

 

このような姿勢では同じ部分に負担がかかり続け、筋肉が疲労してしまい肩こりが生じます。

 

また最近はスマホ首と言われる首のカーブがなくなり、一直線の状態となった「ストレートネック」の方も増えています。

 

町中を歩く人の姿を見ても、顔を下げて、下を向きながらスマホをしている人が大勢いるのは何となく想像できると思います。このような頭を下げた姿勢が続くと、首のカーブが減ってしまいストレートネックになるのです。

 

また頭の重さはボーリングの球と同じくらいの重さがあると言われています。その負担が首や肩にかかり、それを支える筋肉が常に働くことで筋肉に疲労が起こり、肩が凝ってきます。

(引用)HansrajKK: Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. SurgTechnolInt. 2014 Nov;25:277-9

上記の研究によると首の真上に頭がある状態が0°とすると、前にかがめるほど負担が増加し、60°の場合には負荷は5.4倍になることが報告されています。

 

ストレートネックはデスクワークで猫背になっていても起こりやすいので首への負担が増えないように、姿勢を正すように注意する必要があります。

 

運動不足タイプ

運動不足になると血流の流れが悪くなったり、リンパの流れが悪くなるので、老廃物の循環がうまくいかず、むくみなど出現します。この循環が悪くなることが肩こりにも影響しています。

 

学生時代に肩こりを感じにくかったのは、部活やサークル活動でカラダを動かす機会が多かったためです。

 

学生も座って授業を受けるなど、社会人と同様に机で作業することが多かったはずですが、肩こりが起こりにくかったのはこのように定期的な運動を行っていたからです。

 

運動がカラダや脳にとてもよい影響を与えていることは、スウェーデンでベストセラーになった「運動脳」という本でも紹介されています。

 

肩こり予防に限らず、定期的な運動を行うことが私たちのカラダの体液を循環させるにとても大切なのです。

 

体液の1種であるリンパの流れについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、リンパの流れを良くしたいとお考えの方は1度覗いてみてください。

参考
リンパってなぜ重要?免疫・美容・疲労回復にも大切なリンパの働き。

リンパと聞くと「リンパマッサージ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。   リンパマッサージは美容関係でよく出てくる言葉で、実際にリンパマッサージを行っている店舗も数多くあります。 ...

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疲れ目タイプ

パソコンやスマホの操作をしている際は、自然な光を見ているときとは違い、常に光を見続けている状態です。

 

光源をじっと見続けるとまぶしさから、目の周りの筋肉(眼輪筋)やピントを調整する筋肉(毛様体筋)が緊張してしまいます。

 

ピント調節機能が悪くなれば、画面に近づくことで姿勢が悪くなったり、眉間にしわを寄せて画面を見ると肩回りや頭の筋肉に緊張が伝わることになり、肩こりの原因になるのです。

 

また目の周りの筋肉ははまばたきに関与しており、画面を凝視して作業している人はまばたきの回数が1/4に減少すると言われています。

 

まばたきが減少するとドライアイに繋がり、かすみ目によりさらに画面が見えにくくなります。そうなるとより頭や肩回りの筋肉が緊張し、肩が凝ってきます。

 

まばたきの減少は目の周りの筋肉自体も衰えやすくなるので、目元のクマやたるみといった美容面への影響もあります。

 

目の病的な状態である眼精疲労についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

参考
疲れ目の原因は「目」と「作業環境」!仕事で疲れた目のケア方法を解説

1日中パソコンを見て作業していることはありませんか。   オフィスで働く大半の人は1日中パソコン画面を眺めていることがほとんど。さらに仕事が終わるとスマホをずっと眺めるなんてこともあるかもし ...

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内臓ストレスタイプ

あまり知られていませんが、内臓にストレスがかかることでも肩こりに影響すると言われています。特に食べ過ぎや飲みすぎなどは胃や肝臓に負担をかけることに繋がります。

 

右側の首はのあたりは、肝臓に関連した痛みが生じやすい部位(関連痛)になるので、右肩が上がりにくい場合は、肝臓などの不調が影響している可能性があります。お酒をよく飲まれる人は注意が必要かもしれません。

 

咀嚼不足(よく噛まない)も胃や小腸・大腸にストレスをかけることになります。特に胃は肩甲骨の高さにある背骨に関連した痛みや違和感を生じやすい特徴があります。

 

あまり関係ないと思っている噛むことや嚙み合わせも、肩こりケアの大切なポイントになるので覚えておきましょう。

 

精神的ストレスタイプ

原因が特定できないような肩こりは、精神的なストレスが影響していることを疑う必要があります。

 

整骨院や整体に通っても、一向に変化がない場合は、以下のような精神的なストレスがないか思い出してみて下さい。

  • 仕事でのストレス
  • 家庭でのストレス
  • 対人関係でのストレス

ストレスを感じると自律神経のうち交感神経が過度に働いてしまうので、血管が収縮してしまい血流が悪くなります。これにより肩こりや首コリといった症状や、頭痛・吐き気などの症状を呈することもあります。

 

精神的なストレスを抱える方は呼吸も浅くなりやすい傾向があります。呼吸が浅くなると肋骨の動きが悪くなり、姿勢も丸くなります。

 

姿勢不良により背中の筋肉が硬くなると、肋骨と胸椎を繋げる関節の部分も動きが悪くなり、結果として肩甲骨の動きまで悪くなってしまいます。

 

まとめ

いかがでしたか。

 

肩こりと一言にいっても、いろいろな原因があります。もちろん1つの原因だけでなく、複数の原因が重なって症状を悪くしていることもあります。

 

肩こりは原因を知って、それに合ったケアを行うことが症状を繰り返さないためには大切です。

 

ご自身の日常生活を振り返りながら、今回ご紹介した原因と照らし合わせて適切なケアを行うようにしましょう。

 

なお、タイプ別の肩こりケアについてはこちらの記事で解説していますので、どこでも簡単すぐできるセルフケアの方法を知りたい方はぜひ続きをご覧ください。

参考
肩こりはタイプによってケアが違う!5つのタイプ別肩こり解消法

日本人の多くは国民病と言われる腰痛・肩こりで悩まされています。テレワークが普及してからは、特に肩こりを訴える方は増加傾向です。   肩こりで病院に通っても原因が分からず、病名も付かないため「 ...

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参考文献

  • 現代人の“まばたき”は浅くて半開きになりがち!?ドライアイの原因となる“まばたき不全”に注意!眼科医が解説・まばたき不全と涙の蒸発を防ぐ“瞳の保湿ベール”とは.角膜ケア通信No.8
  • のばし・ほぐす。ゆるめる 天城流湯治法エクササイズ 杉本錬堂
  • 森本昌宏:肩こりの臨床:適切な診断と治療のために.近畿大医誌(Med J Kinki Univ)第35巻3,4号151~156 2010
  • 整形外科シリーズ4 肩こり.社団法人 日本整形外科学会

 

 

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