近頃よく耳にする「健康経営」という言葉をご存じでしょうか?
実はこの「健康経営」年々重要性が高まってきています。
その背景には、企業での長時間労働や時間外労働、少子高齢化といった問題があります。
ここでは労働基準法なども踏まえて、働き方改革の内容に関わる「健康経営」の重要性についてお伝えしていきたいと思います。
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働き方改革とは?
厚生労働省は、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(いわゆる働き方関連法)が2019年4月より施行され、労働基準法の内容も大きく改正されました。
主に改正されたものがこちらになります。
- フレックスタイム制の拡充(労働基準法第32条の3)
- 時間外労働の上限規制(労働基準法第36条、第139~142条)
- 年5日の年次有給休暇の確実な取得(労働基準法第39条)
- 高度プロフェッショナル制度の創設(労働基準法第41条の2)
- 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ(労働基準法第138条 )
- 労働条件の明示の方法(労働基準法施行規則第5条第4項関係)
- 過半数代表者の選任(労働基準法施行規則第6条の2関係)
(出典:厚生労働省 働き方改革関連法のあらまし (改正労働基準法編))
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の詳細については、厚生労働省のホームページで確認できますのでそちらをご参照ください。
働き方改革が目指すもの
「働き方改革」の主な目的は、労働者が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」で きるようにするための改革です。
現在の日本の状況では「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの問題に対して、企業の投資やイノベーションによって生産性を向上させ、雇用拡大や意欲、能力を存分に発揮することが必要とされています。
この投資の部分には、従業員の健康増進や労働衛生等にかかる支出をコストとして捉えるのではなく、経営的な投資としてとらえるという健康経営の考えも含まれています。
従業員個人の置かれた事情に応じた、様々な働き方を選択できる社会を実現し、働く人一人ひとりが将来の展望を持てるようにすることが目的として挙げられています。
健康経営とは?
健康経営とは先にも述べたように、「労働者の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する経営手法」です。
企業側としては従業員の健康管理にコストをかけることを嫌い、労働安全衛生法の義務を最低限遵守していれば良いと考えられていましたが、長時間労働や時間外労働が問題視され、生産性の低下が指摘されるようになりました。
また日本では人口オーナス期といわれる「働く人口よりも支えられる人口の方が多くなる」時期にあります。つまり社会的に支えられる人と支える人のバランスが逆転していることになります。
*オーナス(onus):英語で「重荷、負担」の意味になります。
このような状況の中でいかにして「生産性を向上」させるかが、企業の経営課題になっています。生産性を向上させるには業務の効率化は不可欠ですが、それ以外にも従業員の個々の能力も重要です。
企業が健康経営に取り組むことで従業員の活力が向上し、生産性の向上をもたらし、さらには業績アップや企業イメージにも繋がると考えられています。
特に、中小企業においては人材不足などから効率的な人材活用を図る必要があるため、健康経営への取り組みが重要となっています。
また国民医療費の増大から、社会保障制度を維持する観点からも健康経営が求められるようになっています。
日本の生産性
労働生産性の国際比較2021によると、日本の労働生産性はOECD加盟38か国中28位となっています。
ヨーロッパ諸国は生産性が高い国が多く、日本の労働生産性の低さは、やはり長時間労働や各国と比較して企業の人員数が多いことが挙げられます。
(出典)公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2021」
健康経営と働き方改革の関連性
健康経営と働き方改革ですが、この2つはセットで考えるべき内容となっています。
働き方改革は労働者が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革ですが、単純に時間を短縮するのでは業務が終わらないなどの問題が発生することが考えられます。
仕事が終わらないのでは隠れ残業などの問題が浮上してくる可能性もあります。そこで生産性の向上が求められるわけです。
現在は、サテライトオフィスの設置や新型コロナウイルスの影響でテレワークも広まるなど、労働環境は大きく変化してきており、個人にあった働き方改革が推進され、従業員が自ら「選択」して仕事ができるようになってきました。
こういった取り組みにより、政府が推進する就業機会の拡大や意欲、能力を存分に発揮してもらうことが可能になってきます。
健康経営も同じく、従業員の活力が向上し、生産性の向上をもたらすといった目的があるため、「生産性の向上」という共通の目標を達成する多ためには、健康経営の取り組みについても同時に考えていくことが企業そして従業員双方のメリットとなるのです。