前回はSWOT分析からセラピストのキャリアを考える方法をお伝えしました。
内容としてはクロスSWOT分析の方法までお話をしているので、まだ見られていない方はぜひ一度ご覧になってください。
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『SWOT分析』から考えるセラピストのキャリア戦略ー将来のための必須のフレームワーク
自分の将来のキャリアを考えるにあたり、まずは現状の自分を知る必要があります。 「自分には何ができるのか」「どういうスキルを持っているか?」「得意・不得意は?」 それに加えて ...
SWOT分析には”内部環境”である「強み」「弱み」と”外部環境”の「機会」「脅威」があることをお伝えしましたが、自分のSWOTを明らかにし、どこに着目するかを決めていく必要があります。
分析する際は、自身の置かれている環境全体を幅広く分析しなければいけません。
今回は、このSWOT分析を行った後のポイントと注意点についてお話していこうと思います。
SWOT分析後のキャリア戦略ポイント
1.“強み”を活かす!
「強み」はあなたが持っている最大の武器です。この”強み”を最大限活かしてキャリア戦略を立てる方法が私は良いと考えています。
「弱み」は短時間で克服が可能なものでないことが多いため、むしろ、自分の得意なことを伸ばしていくことが重要です。
ただし、競合できる他者と比較して優位性があるのかといった視点の強みを活かさなければ、キャリアを立案するうえでは役に立たないと考えておこう。
2.“機会”というチャンスを逃さない!
社会情勢や景気動向などマクロ環境については、私たちは変化させることが難しいですよね。
でもそれが時に「機会」となったり、「脅威」となったりすることがあります。
このときに、「脅威」に対して守りに入ることも重要ですが、キャリアアップしたいと考えるのであれば、「機会」に向かって動くこと重視したほうが吉となるでしょう。
このことは、スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授の、「計画的偶発性理論」を考えるといいかと思います。
「個人のキャリアの80%は予想できない偶発的な出来事によって成り立っている。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを創造していく」と言われています。
チャンスがあれば、それを逃さず掴む準備が大切だと考えます。
3.「強み・弱み」変化する!
こちらはSWOT分析のデメリット部分も含んでいるのですが、SWOT分析は現時点での分析になります。
そのため自身の「強み」「弱み」は将来的には変化する可能性があります。
積み重なる努力を行えば「弱み」を「強み」に転換させることもできるでしょう。
また何もしなければ時代とともに風化していまい「強み」が「弱み」になってしまうこともあるでしょう。
今の「強み」「弱み」に捉われすぎず、「目標」とする方向に進むために「強み」「弱み」をコントロールすることが良いでしょう。
SWOT分析にも弱点あり
SWOT分析は使いやすいフレームワークですが、さすがに万能というわけではありません。
SWOT分析のデメリットについても下記にお伝えしていきます。
現時点での情報をもとにしている
SWOTにあげた外部環境、内部環境は、現時点での状況が反映されています。
特に「弱み」を書き出し始めると弱みが多くなり、ネガティブな感情が生まれてきてしまう可能性があります。
また外部環境においても、社会情勢の変化により大きく戦略が変わってくることがあります。
SWOT分析ではとりあえず羅列するのではなく、目的・目標をもってピックアップすると、ポジティブな材料が探し出せて、よりよい分析ができます。
現状は変化するということも頭に入れておくべきです。
主観的な視点となりやすい
「機会」や「脅威」については社会情勢や経済動向といったマクロ的に状況をとらえるためさほど影響ありませんが、「強み」「弱み」については分析者の“主観”が入り込みやすくなります。
主観的な視点では、結果として視野が狭くなりがちです。
「強み」「弱み」であれば、複数の知人に自分のことについて聞いてみる方が客観性があり、よい材料を得られるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
SWOT分析は「とりあえずやっておいた」「やってもキャリア戦略を立てるうえで役に立たなかった」となることも少なくありません。
これらのポイントやデメリットをしっかりと抑えたうえで自己分析することが重要です。
今すぐにでもとりかかれるSWOT分析、迷ったら実際に試してみましょう。