私たちの専門はリハビリテーションですよね。
リハビリテーション「Rehabilitation」は「re」再び、戻すという意味と、「habilis」適したという意味が組み合わさってできた言葉です。
私たちは日ごろ、リハビリテーションを患者さんや利用者さんに提供する専門職です。
この専門職のことを簡単に言えば「スペシャリスト」といいます。
ではプロフェッショナルとは何のことでしょう?
今回はこの言葉の意味について是非知っていただきたいので、まとめていきます。
「スペシャリスト」と「プロフェッショナル」の違い
「スペシャリスト」とは?
スペシャリストは先にも挙げたように、ある特定の分野の専門家のことを指します。
さらに正確に言えば、「特定の分野で優れた能力を発揮する人材」のことで、比較的広い範囲を指します。
私たちで言えば病院や施設で、リハビリテーションという専門的な分野で優れた能力を発揮し、対象者にリハビリを提供するセラピストの事となります。
ただ考えて欲しいのが、「優れた能力を発揮」とあるように、学校を卒業して自己研鑽しないようなセラピストはスペシャリストとは言えないでしょう。
同じ病院や施設で働けば、患者さんや利用者さんから見れば新人もベテランもみんな同じ見え方のスペシャリストになってしまいます。
スペシャリストの条件
スペシャリストに絶対的に必要なことは、特定の分野で専門性があることを証明する知識・技術があることです。
例えば、医師や看護師、私たち理学療法士や作業療法士といった「国家資格」が当てはまります。
単に、カラダのことを知っているというだけでは専門性があるとはいえず、それを信じてもらえませんよね。
そのために資格があることで、それを客観的に証明することができます。
また実際に「実務経験がある」ということも必要です。
ペーパードライバーのように、免許を持っているだけでは任せるに足るかどうか分かりませんよね。
そういった社会的には不安な面がある際は「実務経験がある」ということは照明の1つになります。
「プロフェッショナル」とは?
それではプロフェッショナルとはどういったものでしょうか。
先に述べたスペシャリストが対比されるのは「ゼネラリスト」になります。
ではプロフェッショナルという言葉が一般的に比較されるのは何かというと「アマチュア」になります。
プロフェッショナルの考え方としては「スペシャリストの中でも一定の条件を満たす人材」と言えます。
プロフェッショナルの条件
プロフェッショナルについての研究は古くからあり、大きく4つの共通の項目があります。
1.長期の教育・訓練により習得した知識
先ほどのスペシャリストのように単に学校教育を受けて得られた知識だけでなく、研修や仕事を通して得られた知識・技術が必要となります。
簡単に言えば、自己研鑽を積み、実際に臨床の場面で活かしているということになります。
2.専門職に由来する倫理規範
プロフェッショナルの人々は仕事を通して、社会的に大きな影響を与えることがあります。
そのために倫理的な規範が必要であるというものです。
3.専門職の団体
一般的に専門職となると、その専門性を評価し、維持するための研修を行う組織が必要となります。
また専門職の倫理規範を守るための組織としても機能します。
4.専門家としての権威や独占的な権限
医療職で言えば、「名称独占」や「業務独占」といった独占的に行える業務がこれに当たります。
プロフェッショナルを裏付けるためには「資格」や「権威」が必要という事になります。
ゼネラリストとの違いは?
ゼネラリストに関しては、先ほど少し触れましたが、「スペシャリスト」の対義語として「ゼネラリスト」があります。
ゼネラリストは、幅広い知識を有しており、さらにそれらの技術・スキルしている人材の事を示します。
スペシャリストが特に重要とされるとされている中で、日本の組織は未だにゼネラリストが重要とされている傾向があります。
セラピストの正解を見れば、上司となっている人の多くはスペシャリストというよりも、ゼネラリストであることが多いのではないでしょうか。
ゼネラリストに必要な条件
- 特定の分野に囚われない知識がある
- 広い視野を持って行動することが出来る
- 高いコミュニケーション能力を有する
- どのような仕事でも結果を残す
ゼネラリストは今まで学んだすべての事をフル活用して、組織をまとめ上げるという能力が必要であると言えるでしょう。
私たちが目指すべきはどっち?
それでは、私たちセラピストは「どこを?」目指していけばいいのでしょうか。
結論を言えば、自分の将来のビジョンに合わせて行動しよう!という事になります。
「スペシャリスト」であることは専門職である以上当然重要となりますが、臨床で働くのであればその上位に位置する「プロフェッショナル」を目指すべきです。
プロフェッショナルは、スペシャリストの中でも一部の人材です。
「スポーツ専門のセラピスト」や「脳卒中専門のセラピスト」など各分野で更に研鑽を積み、実績を残した人こそがプロフェッショナルだと私は考えています。
臨床で結果を残し、対象者を満足させる。これこそがサービス業である私たちの最大の使命であり、リハビリテーションの本質だと思います。
もちろん、その組織を束ねる「ゼネラリスト」も絶対的に必要です。
とくにプロフェッショナル集団になるとマネジメントが難しいと言われています。
このプロフェッショナル人材を含んだ組織をいかに上手くまとめるか。
これはゼネラリストの条件を満たすことで達成できるのできます。
このあたりのマネジメントについては、別の記事でまたご紹介したいと思いますが、ゼネラリストが能力を発揮するにはポストが限られているという点が問題ではないでしょうか。
この点を考えるとプロフェッショナルの方が自己研鑽を積み、患者さんや利用者さんに直接触れて喜んでもらえるというセラピスト本来のやりがいを感じることができるでしょう。
おわりに
私からお伝えできるのは、「早いで段階で自分の進むべき道を決めよう」という事です。
ゼネラリストとプロフェッショナルでは学ぶべき内容が異なります。
私は「プロフェッショナル」を目指して多くの事を学んでいましたが、現在は経営やマネジメントの勉強をしています。
もっと早い段階で方向性を決められていたら・・・そう思うことも多々あります。
この記事がセラピストの将来、進むべき方向性を決める力になれば幸いです。
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