本格的な夏に向けてダイエットや運動不足解消のためにジムに通ったり、筋トレを始める人も多い一方、なかなか続かないと悩んでいる方も少なくありません。
運動を続けることが苦手な人でも、通勤で自転車を利用するのはどうでしょうか。健康面でもプラスですし、月々の交通費も抑えられるのでいいこと尽くしです。
この記事では自転車通勤のメリットや理想的な通勤時間・通勤距離について解説しています。普段の通勤が運動機会に変わることを想像しながら読み進めてもらえると幸いです。
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自転車に乗ることによるメリット
自転車に乗ることのメリットは複数あります。ここでは注目すべきメリットを5つお伝えします。
メリット
- ダイエットになる
- 交通状況に左右されない
- ストレス解消になる
- 体力の維持・向上
- 生活習慣病の予防になる
ダイエットになる
自転車はウォーキングやランニングと同じように有酸素運動に含まれます。そしてダイエットに有酸素運動は必須なことは周知の事実です。
有酸素運動はこれまで15~20分以上行うことが推奨されてきました。ですが最近は時間は必須の条件ではなく、10分程度の有酸素運動でも体力増進に役立ったとの報告もあります。
重要なのは時間よりも回数や継続日数です。まとまった時間が取れなくても、スキマの時間を上手に活用することで効果が得られます。
自転車通勤が10分でも往復すると20分になるので、それだけでも有酸素運動の効果が期待でき、脂肪燃焼によるダイエット効果につなげることができます。
実際に消費カロリー数、METsも比較的高いとされています。ここでは体重60kgの人が30分間運動した時の消費カロリーを比較してみましょう。
消費カロリー | METs | |
ウォーキング | 151kcal | 4.8 |
サイクリング | 214kcal | 6.8 |
ランニング | 221kcal | 7.0 |
エアロビックダンス | 230kcal | 7.3 |
(出典)改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」国立健康・栄養研究所
さらに下半身の運動になるため、太ももの筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)が鍛えられます。こうした大きな筋肉を鍛えることは基礎代謝の向上にもつながるため、太りにくい体質づくりにも効果的です。
ロードバイクのような足が固定される「ビンディングペダル」を使用すると、カラダと下半身を繋ぐ「腸腰筋」も鍛えられるため、姿勢の改善や腰痛予防にもなります。
自転車以外にもウォーキングについてのメリットをまとめた記事もありますので、もっと知りたい方はこちらも参考にしてみて下さい。
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どうしてウォーキングはいいの?ウォーキングの効果と注意点
健康のため「ウォーキングをしましょう」と言われたことはありませんか? 年齢問わずウォーキングは世界的に推奨されています。 ダイエットにしても、健康維持にしても、どんな場面で ...
交通状況に左右されない
自転車通勤は交通状況に左右されないのも大きなメリットと言えます。
公共交通機関を利用して出勤している場合は、事故や交通渋滞による遅延で、遅刻しないかヒヤヒヤした経験をされたこともあるのではなでしょうか。
自家用車で出勤される方も同様に渋滞に巻き込まれるなどで、到着が遅れることもあるでしょう。
自転車の場合は交通状況に左右されにくく、自転車しか通れない道を通ったりと簡単に通勤ルートを変更できます。
ストレス解消になる
10分間の軽い運動をするだけでも、脳の注意力や集中力、判断力などの認知機能(実行機能)が向上することは研究によってすでに報告されています。
ストレスが溜まっている状態では注意力や集中力が落ちてしまうため、自転車による軽い運動だけでもこうした状態を改善さえる可能性があります。
また通勤時に太陽光を浴びながら、有酸素運動を行うことでセロトニンの分泌が促されます。
セロトニンは恐怖や不安を制御する「扁桃体」をコントロール働きがあるため、朝の通勤時間に自転車に乗ることはセロトニンの分泌を促進し、ストレスをコントロールするのに役立つのです。
自律神経の調整や睡眠の質にも関与するので、朝日を浴びて自転車に乗って通勤するのは精神面によってとてもプラスに働きます。
体力の維持・向上
自転車に限った話ではありませんが、運動することは心肺機能や筋力を維持すること繋がります。
加齢とともに体力の衰えを感じることも増えてきます。文部科学省における体力テストの結果を見ると20歳以降は緩やかに低下していることがわかります。(各年代ごとに実施内容が異なるものがあります)
(出典)平成27年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について 文部科学省スポーツ庁
自転車の場合は特別な運動をすることなく、ただ通勤に自転車を使用するだけでも体力を維持し、乗り方によっては向上させられるので、運動するのが苦手な方でも手軽に始められます。
スポーツジムに通ったりするよりははるかに続けやすく、ランニングコストがかからないといったメリットがあります。
生活習慣病の予防になる
有酸素運動自体は2型糖尿病やメタボリックシンドロー ムのリスク低下に有用であることが報告されています。また立ったり歩いたりすることに支障が出てくる「ロコモティブシンドローム」にも効果的です。
自転車に乗ることで以下のような生活習慣病に対して効果があります。
- 血糖値を下げる
- コレステロールを下げる
- 高い抗酸化能力を得られる
自転車に乗ることで、下半身が鍛えられ血流も良くなるので、生活習慣の予防にはとても有効な運動です。
仕事や日常生活が忙しくてなかなか運動する機会がない人でも自転車通勤に切り替えることで、特別に時間を作る必要もなく、毎日自然と運動することになるので、日々の健康管理にはオススメできます。
その他免疫力のアップや抗酸化作用も高まるとされるなど、自転車に乗ることで得られる恩恵は多くあります。
自転車通勤はランニングコストは安い
自転車通勤の良いところは、自転車をすでに持っている方であれば出勤のための交通費を限りなく安くすることができます。
定期的なメンテナンスや急なパンクが起こったとしても、月々かかる費用としては駐輪場大が必要なければ月平均して1,000円程度をみておけばOKでしょう。
最近は自転車保険への介入も必要になっています。加入していなければ万が一の時に、数千万円以上の請求をされることもあるので、自動車保険の特約などを利用してでも加入しておきましょう。
保険料は自動車に比べてとても安く、年間保険料は楽天損保の自転車保険であれば3,000円程度なので比較しながら検討してください。
まとめると、年間の維持コストは15,000円もみておけば大丈夫でしょう。
自転車をお持ちでない方は最初に自転車を購入する費用が掛かりますが、それでも車を購入したり、公共交通機関を毎日利用するよりは安くなるでしょう。
自転車通勤の距離はどれくらいまで?
自転車通勤が「健康にいい」というのはご理解いただけたと思いますが、どれくらいの距離までなら自転車通勤が良いのでしょうか。
自転車通勤に掛ける時間は20分以内
総務省統計局が行う社会生活基本調査によると、日本人の平均通勤時間は「約71分」とされています。
(出典)『夜更かし!?ランキング 』&『通勤・通学時間が長い!?ランキング』総務省統計局 社会生活基本調査
不動産情報サービスのアットホームの調査によると、首都圏の場合は理想の通勤時間は片道35分とされています。
また学情による「通勤時間・住む場所」に関する調査では、20代の希望の通勤時間は15〜30分が最も多く34.6%となっています。
さらに17歳~49歳の女性306名を対象にした『とらばーゆアンケート』でも、理想の通勤時間は15〜30分未満と答える割合が51%となっています。
(出典)働く女性に聞く「理想の通勤時間」はどれくらい?『とらばーゆアンケート』306名(17歳~49歳の女性)より作図
これらのことから、片道15〜30分以内の通勤が理想的であると言えるでしょう。
自転車通勤も距離や時間が長くなると続けづらくなります。特に夏場の暑い時期や冬の寒い時期は通勤時間が長いのとても辛く感じるでしょう。
個人的には有酸素運動の効果を期待できる20分くらいが通勤時間としてはベストだと考えます。
通勤距離は乗る自転車によって違う
自転車での通勤時間を20分と仮定した場合、通勤距離としてはどれくらいが目安になるのか見ていきましょう。
通勤距離については自転車の種類によっても異なります。一概に自転車と言っても、ママチャリのような自転車からスポーツタイプの自転車まで幅広くあります。
- シティサイクル(ママチャリ)
- クロスバイク
- ロードバイク
それぞれで出せる速度が異なるため、乗る自転車の種類によって距離を判断すると良いでしょう。
シティサイクル(ママチャリ)
ここではシティサイクルもママチャリも同一のグループとして検討します。
シティサイクルの速度は約15km/hが平均的だと言われています。
つまり20分以内の通勤時間を想定すると5km以内が通勤距離だと言えます。
シティサイクルは他のスポーツタイプの自転車よりも安定しており、普段の服装でも気にせず乗れます。お尻も痛くなりにくいので近距離ならこちらがオススメです。
参考
○シティサイクルとママチャリの違い
シティサイクル:ハンドルが真っ直ぐなタイプで、スタンドが1本。
ママチャリ:ハンドルが手前に曲がったタイプで、スタンドが両立式。キャリア(荷台)がついている。
クロスバイク
クロスバイクの平均速度は18-25km/h程度。風速がある程度あってもこれくらいの速度が出せます。
仮に時速20kmで走行した場合、20分で走れる走行距離は約6.7km。通勤距離が7km以内であればクロスバイクでの通勤が良いでしょう。
なお、クロスバイクはロードバイクよりも乗りやすいですが、純正のサドルだとお尻が痛かったり、姿勢が窮屈になるので体型に合った自転車を購入するようにしましょう。
ロードバイク
ロードバイクは最もスピードが出る自転車で、プロであれば最高70km/hは速度が出るそうです。
ただ一般人が公道を走る際はおおよそ20〜30km/h。25km/hだとすると20分で走行できる距離は約8.3km。
これくらいの距離であればロードバイクを選択するのが良いでしょう。ただしロードバイクは盗難のリスクも高くなるので、盗難防止対策を職場でもしっかりと行うようにしましょう。
(参考)自転車通勤でどれくらいの時間がかかる!?自転車の種類と平均時速から通勤にかかる時間を計算 通勤サイクリングラボ(SHIMANO)
まとめ
いかがでしたか。
通勤を公共交通機関や車から自転車に切り替えることで、多くの健康へのメリットを享受できるようになります。特に運動する時間がないという方には、通勤自体が適度な運動になるのでとてもおすすめです。
通勤時間や通勤距離と相談しながら、ぜひ自転車通勤を始めてみましょう。
参考文献
- 佐藤祀造:内臓脂肪燃焼に効果的な有酸素運動の方法 体力医学 日本医事新報 No.4651 20136.15
- 佐藤祐造 編:糖尿病運動療法指導マニュアル.南江堂 2011.
- The Effects of Home-based Bench Step Exercise on Aerobic Capacity, Lower Extremity Power and Static Balance in Older Adults.International Journal of Sport and Health Science 4:570-576. January 2006
- 軽い運動でも認知機能は高まる!-短時間の軽運動でも高まる実行機能と脳内神経基盤の解明-筑波大学