脳梗塞・脳出血の後遺症について
脳梗塞や脳出血により、脳が損傷することで起こる後遺症になります。
運動麻痺は、身体の左右どちらからに起こることが多く、片麻痺と呼ばれています。
脳の損傷により、自分の意志で手足を動かすことができなくなりますが、それと同時に姿勢を保ち、効率的に動かす能力も低下します。
運動神経は脳の『脳幹』という部位で交差しているため、損傷を受けた脳と反対側に症状(片麻痺)が起きます。
一方、姿勢の調整をする神経は、損傷した側と同側に影響を及ぼしているため、効率的かつ機能的な動きを起こすには、両方に働きかける必要があります。
片麻痺のリハビリについて
麻痺にも手足がダラっとしているっ状態の「弛緩性麻痺」と筋肉が緊張してしまっている「痙縮」の状態があります。
脳梗塞や脳出血を発症してすぐは、弛緩性麻痺の状態が多く、回復段階になると無意識に勝手に力が入ってしまう痙縮が出現するようになります。神経の損傷程度によっては、弛緩性麻痺の状態が続くこともあります。
麻痺や症状によってリハビリ内容を検討する必要があり、多様な感覚刺激を脳に与えながら、筋肉の収縮や機能的な動きを誘導していく必要があります。
特に繰り返し運動を行い、脳に学習してもらうことが改善には重要となります。
痙縮について
痙縮は運動の障害の1つで、脳卒中を発症された方や、脳性麻痺、脊髄損傷などの脳や脊髄の障害によって、筋肉が無意識に緊張しすぎる状態です。
海外では脳卒中の35%以上に痙縮がみられることが報告されています。
痙縮は主に「錐体路」と呼ばれる脳からの神経の通り道が障害を受けることで出現します。
この神経により通常は筋肉を適度な緊張状態に保つことができるのですが、障害されることで過剰な緊張が入るようになり痙縮と呼ばれる状態となります。
パーキンソン病の症状
- 振戦(しんせん):寝ている時や座っているときなど、安静にしているときに手足が震える状態。
- 固縮(固縮):筋肉がこわばり動かしにくい状態です。
- 無動(むどう):カラダの動きが鈍くなる状態で、素早い動きが難しくなる傾向にあります。
- 姿勢反射障害:カラダのバランスがとりにくくなる状態で、パーキンソン病が進行するとみられるようになります。
他にも、前かがみで小刻み歩行になり、徐々に突進してしまうような歩行障害が出現したり、顔の表情がなくなるなどの異常が見られてきます。
さらに自律神経症の異常や、精神・認知機能の低下をみられるようになります。
これらの症状により、同年代の方と比べ運動不足となり、身体機能の低下が生じやすくなるため、運動やリハビリを継続することは重要となります。
何もしないと悪化する可能性がある
これらの病気は、活動量が低下すると筋肉の緊張がさらに高まったり、動きがスムーズに行えなくなるなど、放置することで悪化する可能性があります。
実際に『廃用症候群』という状態になると、関節の動きが悪くなったり、筋肉量も低下して動けなくなり、要介護状態となってしまう可能性もあります。
そのため、「カラダを動かす」ことは、要支援状態になることを予防するためにも、とても大切です。