子どもが連続ジャンプできないのはなぜ?発達の仕組みを解説!

「両足をそろえて、その場でぴょんぴょん跳ぶ」。

 

大人からすると、これ以上ないくらい単純な動きに見えます。走るより簡単そうだし、ボールを投げるより地味な動きと思われ鵜かもしれません。

 

また「これができないなんて、よほど運動が苦手なのかな」と思ってしまう方もいるかもしれません。

 

でも、運動の仕組みから見ると、連続ジャンプは歩くことよりもずっと複雑で、いくつもの能力が高い精度でかみ合ってはじめて成立する動きなんです。

 

両足で地面を離れる、空中でカラダを保つ、着地の衝撃を受け止める、その勢いを止めずに次へつなげる。

 

性質のまったく違う仕事が、コンマ数秒の間に連続して詰め込まれています。しかも連続ジャンプでは、これを何度も途切れさせずにループさせなければなりません。

 

だから、お子さんが連続ジャンプでつまずいていても、それは「運動神経が悪い」のひと言で片づく話ではないんです。

 

むしろ「カラダの中の、どの連携がまだ育ち途中なのか」を教えてくれる、とても情報量の多いサインだと私たちは考えています。

 

そもそも「跳ぶ」は、どんな順番で育つのか

一般的な粗大運動の発達では、跳ぶ動きはおおよそ次のような順で育っていきます(月齢はあくまで目安で、個人差がとても大きい部分です)

 

まずは2歳前後、階段の一段目や玄関の段差から片足を先に出しながら「飛び降りる」動き。

 

次に2歳半〜3歳ごろ、その場で「両足をそろえて一回跳ぶ」動きが出てきます。

 

両足を同時に地面から離すのは、片足ずつ動かす歩行とは根本的に違うコントロールが必要で、実はここが最初の関門です。

 

そして3歳〜4歳ごろ、その一回跳びが「連続して」つながるようになります。

 

さらにその先の4〜5歳ごろには、片足でのケンケン(ホッピング)へと育っていきます。

 

この順番を知っておくと、「連続ジャンプがまだ」というお子さんが、実は「その場で一回跳ぶ」自体があやしい段階にいることも見えてきます。

 

そういうときは、連続を練習させるより一つ手前を育てるほうが、結果的に近道になることが多いんです。

 

連続ジャンプの正体は「バネの跳ね返り」

連続ジャンプを支えているのは、専門的には「伸張‐短縮サイクル」と呼ばれる、筋肉をゴムのように使うしくみです。

 

着地の瞬間に引き伸ばされた筋肉がためこんだエネルギーを、逃がさないうちに次の跳躍へと解き放つ。

 

着地で沈む、ためる、跳ねる、が一続きになることで、連続ジャンプは成立します。

 

一回ごとに止まってしまうお子さんは、着地のあとにカラダの動きが完全に静止してしまい、せっかくためたエネルギーが逃げていってしまいます。

 

「うちの子、跳んだあとに必ず一回止まるんです」という相談は本当に多いのですが、それはまさに、このバネの跳ね返りをまだ使えていないサインなんです。

 

カラダの中では、3つの感覚が働いている

このバネを使いこなすには、前庭覚(揺れとスピードの感覚)、固有覚(力加減と関節の感覚)、触覚(足の裏で地面をとらえる感覚)という3つの感覚が、それぞれの役割を果たしながら、たがいに情報を交換している必要があります。

 

さらに、脳の中では「次はだいたい0.4秒後に跳ぶ」という予測を立てる小脳、一定のテンポを自動で刻む基底核、着地の前に構えを入れる先読みの力、動きの段取りを組む力、そして「跳ぶ」と「止める」を高速で切り替える抑制の力までもが、ひとつの跳躍のためにかみ合って働いています。

 

連続ジャンプがうまくいかないのは、そのどれか一つの不具合ではなく、たいていは複数の要素がまだ育ちきっていない、という重なりの結果なんです。

 

現場で、こんな様子によく出会います

跳ぶたびにドスンと大きな音がして、そのあと一度しゃがみ込んでから次を跳ぶお子さん。

 

これは着地の衝撃を受け止めきれず、バネの跳ね返りをまだ使えていない様子かもしれません。

 

一回目はきれいに跳べるのに、二回目でリズムが崩れて止まってしまうお子さん。

 

これは、同じパターンを回し続ける段取りの力や、一定のテンポを刻む脳の働きが、まだこれからのサインであることが多いです。

 

ブランコや高い所を極端に怖がる、あるいは跳ぶと頭や腕がバラバラに動いてしまう。

 

それぞれ、揺れの感覚や「自分のカラダの地図」の育ちが、跳躍に影を落としていることがあります。

 

大切なのは、これらを見て「どこが劣っているか」を探すことではありません。

 

大切なのは分析する力

止まっているのではありません。次につなげるための力を、静かに蓄えているところです。

 

だからこそ、原因を一つに決めつけず、「いま、どの力がボトルネックになっているのか」を一緒に見立てていくことが大切です。

 

そして、連続ジャンプそのものを反復させるより、その土台になっている感覚と力を、遊びの中でたっぷり育てるほうが、遠回りに見えて確実なことが多いんです。

 

noteの本編(有料になります)では、専門用語もわかりやすい言葉にしながら、7000文字以上で詳しくお伝えしています。

 

  • 跳ぶ動きが子どもの中でどんな順番で育っていくのか
  • 前庭覚・固有覚・触覚がそれぞれどこでつまずくと連続ジャンプが崩れるのか
  • 「一回はきれいに跳べるのに、二回目が続かない」など現場でよく出会う様子の見分け方
  • 園や家庭で今日から試せる、感覚を育てる具体的な遊びのアイデア

連続ジャンプがうまくいかないその一回で止まる「ぴょん」の裏側では、いくつもの感覚と脳の働きが、いままさに一つずつ組み上がっている最中です。

 

焦る必要はありません。そして、一人で抱え込まないでください。

 

「これって育ちの途中なのかな、それとも少し手を貸したほうがいいのかな」。その見きわめは、専門家が一緒に考えるためにいます。

 

お子さんの「ぴょん」が、いつか軽やかな「ぴょんぴょんぴょん」に変わる日のために。ぜひ続きをご覧ください。

 

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