こんにちは。After Reha代表の田中です。
さて今回はセラピストのキャリア形成について書いていこうと思います。
理学療法士になって13年目になりましたが、これまで非常に多くのことを経験しました。
1年目の初めに学会発表、3年目に全国学会での発表、5年目からはコンセプトを学びに、ボバース、PNF、クラインフォーゲルバッハ、徒手療法と全力で駆け抜けていました。
それが、10年目を過ぎたあたりから、おかしいことに気付きました。
どんなに努力を積んでも、給与体系反映されない!
「頑張っているのに何で!!」
と思いたくなる方も多いと思います。
今回は特に、私のように技術ばかりを追い求めていたセラピストに是非読んでほしいと思います。
セラピストが知っておくべきこと
診療報酬の影響
セラピストは「技術職」!
マネジメントなんて関係ない!
技術屋にはそう思っている人が多い。
だから、優れた技術をもつ講師などに憧れてハンドリング技術を学ぶ。
実際に私もそうでした。
理学療法士としてスペシャリストになるのは確かに重要。
だけれども、給与を意識するのであればそういった技術を給与体系に反映されているかを考える必要があります。
実際、技術や資格を給与体系に反映している病院や企業は少ないのが実情です。
これは病院に入ってくる診療報酬とは全く関係ないからです。
セラピストが技術に特化する事が決して悪いわけではありません。
臨床の現場では、患者さまにとってその技術や思考こそが、最大のメリットだからです。
しかし、自分のキャリアを考えた時に技術だけでは昇進出来ません。
診療報酬の関係上、新人だろうが、有名講師がリハビリに当たろうが、誰が行っても点数は変わらないからです。
これは変えようのない事実です。
そのために、昇進したいならこれからはマネジメントスキルも重要となってくることを知っておきましょう。
医療業界のヒエラルキー
医療業界のヒエラルキー(ピラミッド型の階層組織)では、セラピストは底辺に近い位置にいます。
介護保険分野では、図示した位置よりも下の階層に近い位置にいると感じています。
介護現場では介護職の仕事をリハ職が行っていることも珍しくありません。
これは発足から他職種に比べて年数が浅いのもあるかもしれませんが、今後現状が逆転することは難しいでしょう。
※この図を提示すると勘違いされるかもしれませんが、決して介護職や相談員の職業がどうだとか言っているわけではありません。
やはり専門職としてスキルを活かすには、セラピストはセラピストであるべきだと感じています。
1人が及ぼす影響力
また考えないといけないこととして、セラピストは患者さん1人にしかサービスを提供できないということです。
一方、IT業界でソフト開発する人はどうでしょう。
仮に1人で作成したとしても、そのソフト(アプリ)を使用するユーザーが1000人いたらどうでしょう。
1人が1000人に対してサービスを提供し、影響を与えることができるわけです。
これは給与面に関しては特に考えないといけません。
「1:1」より「1:1000」の方がそれだけ影響を与えられるのですから、給与が高いわけです。
自分をPRできるものがありますか?
”今から30個自己PRできることをあげてください”
そう言われてすぐに、30個あげることが出来ますか?
始めて言われた時、私は10個ぐらいしか上げられませんでした。
でも安心してください。
30個あげられる人はそういません。
誰しも「自分の事を知らない」のです。
自分の事を知ることからキャリア形成は始まります。
今すぐ書けなくても、あとから頑張ってノートに30個書いてみましょう。
3軸でキャリアを考える
「医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略」ではまずこの3軸でキャリアを考えることが推奨されています。
医療・介護職で多いのが「スキル・モチベーション偏重型」です。
確かに、私も以前はこのタイプでした。
しかし、給与をあげるには「市場価値」(マーケットバリュー)を高める必要があります。
要は組織や社会が求めるスキルを高めなさいということ。
ここが最終的に給与面に反映されてきます。
簡単な例を挙げると、整形外科のクリニックで脳血管の勉強を必死にしても、その組織での価値は上がらないですよね。
もっといえば、組織が望むのは「治療技術を上げるより、収益を上げる」ではないでしょうか。
このあたりのことをしっかりと考えて、キャリア戦略を考える必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
これからのリハ職は非常に厳しい状況にあると感じています。
特に中堅世代はある程度経験も積んでおり、簡単に辞めることが出来ないといったジレンマにある方も多いと思います。
だからこそ、自分を知って、キャリアを考えたり、実行するための戦略などを知っておく必要があります。
「Will・Can・Mustによる自己分析」「SWOT分析」「マンダラシート」など今後ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。